糖尿病−家族や周りのサポートについて − その2

糖尿病−家族や周りのサポートについて − その2

前回は、患者と家族、それぞれが抱える思いとフラストレーションについて、5人の方々に語ってもらいました。

どれも共感できるものばかりだったと思います。
共通しているのは、「言いたいことがあるにも関わらず我慢している」という点。そのために、お互いに不満を抱えている現状がある、ということでしたね。

今回では、これらの「負の連鎖」を断ち切り、大切な家族や友人とより深い付き合いをし、必要なサポートをしてあげる、してもらうためにはどうしたらいいかを考えていきます。

※「糖尿病と闘う」とは、食事療法・運動療法・薬物療法を組み合わせて、医師の指導のもとで、糖尿病が悪化しないように真剣に取り組むことを意味します。
特定の食品が糖尿病に効くことを示唆するものではありません。

※ご紹介する声は、特定の食品が疾病に効くことを示唆するものではありません。あくまでも、読者の皆さまが医師の指導のもとで食事療法・運動療法・薬物療法に取り組まれた結果です。

患者と周囲の人の関係-まとめ

「糖尿病に関するQOL調査」の結果によると、患者の家族450人のうち実に43.6%が「ストレスを感じている」と回答としたそうです。

内訳は、「精神的な負担」が54.7%、ついで「金銭的な負担」が46.9%だったそうです。約半数の家族が、精神面や金銭面で負担を感じているということですね。

さらに、コミュニケーション上の悩みを聞いたところ、約6割の人が「助言を素直に聞いてくれない」と言い、「治療に関する意見の食い違いがある」と訴える人が4割にものぼったそうです。

一方、患者550人への調査によると、糖尿病患者の4人に1人が治療を中断した経験があり、そのうち約6割の人がそのことに対して「後悔」していたそうです。

川崎医療福祉学会誌に寄せられた「糖尿病療養者に対する家族支援の実態」という研究によると、糖尿病患者には、「理屈ではわかっていながら、自分の行動が直せない」という矛盾した感情と行動があるそうです。

たしかに、「食べないほうがいいってわかっているけど、つい食べちゃう」とか、「ウォーキングすべきなんだけど、今日はやる気がでないなあ」なんてことはしょっちゅうですよね。

この研究によると、「ゆえに,患者自身だけでは糖尿病のコントロールは困難であり,様々な支援が必要とされる。その中でも日常生活をともに過ごす家族の与える影響は大きいと考えられる」ということだそうです。
たしかにそのとおりですね。

糖尿病患者は、家族のサポートを不可欠に感じていることは間違いがありません。互いに、ストレスを感じずにサポートをする、そしてサポートされるという関係を築いていくにはどうしたらいいのでしょうか。

あなたはどの「型」? 責任感の持ち方で関係が変わる!

まずは、「型」を確認しよう!

東北大学大学院で発表された研究によると、糖尿病患者とその家族のあり方は、5パターンに分かれるそうです。

それは

「団結型」 「遊離型」 「熱心型」 「不活発型」 「無関心型」

上記のいずれかです。

「団結型」は、患者本人の取り組みと家族のサポートどちらも高い状態を指すそうです。
すなわち、「本人も、家族もやる気がある」状態ですね。

「遊離型」は、お互いが分離していて、患者本人だけが食事療法に責任を負っている状態だそうです。

「熱心型」は、家族がセルフケアの責任を負い熱心に行う一方で、患者本人は強制されることを不快に思っている状態です。

「不活発型」は、家族がセルフケアの責任を持ちながら、実際の行動はあまりない状態で、また患者本人もそれを不満と思っている状態です。

最後に、「無関心型」は、読んで字のごとく、互いが互いに無関心な状態、どちらも治療に対して責任を持たない状態だそうです

この5つのタイプのうち、「団結型」の治療結果が最も良好だったそうですが、それは当然ですよね。

ついで、「遊離型」、「熱心型」、「不活発型」と続き、「無関心型」が最も治療結果が悪かったそうです。

まず、家族と患者の関係が、上記5つのうちのどの型に当てはまるか考えてみましょう。

「妻の私ばかりが治療に熱心で、夫本人に全くやる気が感じられない」というのであれば、「熱心型」でしょうし、「家族は家族で好きにやってるから、自分で食事管理するしかないんだよ」という場合は「遊離型」でしょう。

「うちの親は、全然糖尿病食を作ってくれないんだ」というのであれば、「不活発型」といえるでしょう。

いずれも、ポイントは「責任」の所在にあります。
食事療法の責任を家族が持っているのか、患者本人が持っているのか、それを今一度確認してみましょう。

責任の所在は患者本人でありながら「治療は医者に任せている」とか「食事は自分で作れないから、親がやるんだ」というようであれば、責任の所在があいまいになっていると言えます。

実際に食事を作るのが別の人であっても、積極的に関心を持ち、共によりよい食事療法を行うのだという気持ちがあれば、それは責任の所在が自分にあるということになります。

患者の家族でありながら、どこか一歩引いた立場にはなっていませんか?

「食べるも食べないも本人の責任なのだから」とか、「強制するのはかえっていけないから口を挟まない」と言うのであれば、家族としての責任を手放してしまっているかもしれません。

このように、「団結」をめざすには双方が治療上の「責任」を持つことです。もしあなたが、そうでないと感じているようなら、今日から早速治療の「責任」を持ちましょう。

治療の責任を持つということは、血糖値が悪くなったとき自分のせいだと思えることです。その思いがあれば、せっかく作ってくれた糖尿病食に患者本人が悪態をつくこともなくなるでしょうし、また家族が、患者本人に隠れてこっそり飲食をすることもなくなるでしょう。

双方が責任を持ったら、次は「目標の確認」をしましょう。

長いマラソンに地図は欠かせません。現在地を確認し、どちらの方向へ進むべきかの指針を患者と家族の双方でしっかりと把握し、同じ方向を見ながら進むことが大切といえるでしょう。

今回のまとめ

家族と患者の関係は、昨日今日出来上がったものではありません。
だからこそ、ある日突然それを変えるというのは、大きなエネルギーを要します。

しかし、もしあなたが今、何かしらのフラストレーションを抱えているのであれば、そこから一歩踏み出すことを強く強く勧めます。

きっと今までとは違った景色が見えてくるはずです。病気という事実も、家族の存在も、いまさら変えることはできません。

変えることができるのは自分の行動だけ。

価値ある一歩、踏み出してみませんか。

・糖尿病患者家族の半数以上が、不満を抱えている

・患者と家族の関係は、5つの型に分かれる

・5つのうち「団結型」が最も治療がうまくいく

・そのためには、双方が「責任感」を持つことが必須

→ 関連項目 糖尿病の方のメンタルケア-その②「うつ病」

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