ポリフェノールは高血圧をはじめ、抗ガン作用など様々な疾患の改善に効果がある、驚きの物質とも言えそうですが、実は糖尿病の改善にも高い効果があります。
ポリフェノールは血糖値の上昇に大く影響する「α-グルコシダーゼ」を抑制する効果があります。
赤ワインやブルーベリーに含まれるポリフェノール「アントシアニン」をはじめ、緑茶のカテキンやウーロンポリフェノールなど、いろいろなポリフェノールが血液の流れを改善し、血糖値を下げる効果があると言われています。
このように、ポリフェノールは血糖値の上昇を抑える効果が高く、それによって糖尿病の改善に高い効果があることが分かります。
ポリフェノールは主に飲み物に多く含まれています。
今回は糖尿の方が飲み物を上手に選ぶためのコツについてご紹介したいと思います。
※「糖尿病と闘う」とは、食事療法・運動療法・薬物療法を組み合わせて、医師の指導のもとで、糖尿病が悪化しないように真剣に取り組むことを意味します。特定の食品が糖尿病に効くことを示唆するものではありません。※ご紹介する声は、特定の食品が疾病に効くことを示唆するものではありません。あくまでも、読者の皆さまが医師の指導のもとで食事療法・運動療法・薬物療法に取り組まれた結果です。
お茶やコーヒーなどとの付き合い方
糖尿病の人はほかの人に比べて水分や糖質の影響を受けやすいため、飲み物に注意しなくてはいけません。
そこで気になるのが、お茶やコーヒー、紅茶など。これらは糖質を加えたものであれば完全に糖質を摂取せずに、安心して飲むことができます。
それぞれの効能について、最新の研究結果とともにみていくことにしましょう。
●コーヒー
ハーバード大学が行った4年間の調査によれば、コーヒーを飲む量を1杯増やすと糖尿病のリスクが1割減るそうです。また、ドイツの研究グループもコーヒーを5杯以上飲む人は糖尿病のリスクが4割近く減ると報告しています。
とはいえ、コーヒー=糖尿病に良い、と単純にいえるわけではなさそうです。真逆で、糖尿病を招く可能性も示されているからです。
現在糖尿病には、1型と2型があるといわれていますが、近年の研究によれば成人以降に免疫の影響で発症するタイプの糖尿病の人がいることがわかってきました。これらの人の場合は、コーヒーを飲むと糖尿病発症のリスクが高まるという報告があります。ある素因のある人にとっては、コーヒーを飲む習慣が、隠れている病気を引き出す結果になるかもしれないのです。このように、一概にコーヒーは糖尿病に良いまたは悪いと論じることはできません。個々のケースによって異なるということを覚えておきましょう。
●紅茶
フレーミングハム州立大学の研究チームによれば、紅茶に含まれるポリフェノールに糖を分解する酵素を阻害する働きがあるとのことです。紅茶の成分は糖の吸収を抑制するため、結果として血糖値の変動幅が小さくなるというのです。研究結果によると、こうした効果を得るには、紅茶を1日3杯飲むといいといわれています。
●緑茶
ペンシルヴァニア州立大学農学部は、緑茶を使ったある実験を糖尿病をもつマウスに行いました。糖尿病のマウスに緑茶の抽出物を摂取させ、運動をさせたところ、16週間後に、体重は27.1%、腹部脂肪は36.6%減少したとのこと。空腹時血糖値は17%低下し、インスリン値も65%低下し、インスリン抵抗性は65%減少したことが明らかになりました。
一方、緑茶成分を摂取しなかったり、運動をしなかったマウスでは、体重や糖尿病の検査値の改善はみられなかったそうです。緑茶にはカテキンを代表とする天然の抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富に含まれます。研究者は、「緑茶には糖尿病を改善する効果があることが明らかになりました。ただし、運動をしなければ、緑茶の成分をいかすことはできません。運動と緑茶の摂取の両方を行うことが重要です」と言っています。
今回のまとめ
最後の緑茶のくだりにあるように、やはり飲み物だけに頼るのではなく、運動療法も同時に行うことが血糖を正常値に保つうえで有効であることは間違いなさそうです。
飲み物に注意を払いながら、楽しく運動や食事療法を取り入れていきたいですね。
・スポーツドリンクにもジュースと同等の糖質が含まれているので注意
・ノンカロリー・ゼロカロリー表記のものであっても、カロリーがある
・ノンシュガー・糖質オフのものであっても、糖質が含まれている
・紅茶・コーヒーなどは、砂糖を加えずに飲んだ方がよい
・緑茶はポリフェノールが豊富なのでオススメ
・飲み物に頼りすぎず、運動療法なども一緒に行う
→ 関連項目 血糖値を下げる食事のしかたとは?
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