糖尿病−強烈な眠気は危険信号?-その2

糖尿病−強烈な眠気は危険信号?-その2

前回は、糖尿病と眠気の関係についてお話ししました。
眠気自体は当然誰にも起きるものですが、糖尿病がある場合は低血糖や高血糖に容易になりやすいので、強い眠気が引き起こされることもある、ということでしたね。

今回はさらにこの問題にフォーカスしていきましょう。

糖尿病と眠気の関係 その2

冒頭の通り、前回は「低血糖症状による眠気」についておもにお話ししました。
それは、インスリン注射などが主な原因でしたね。
しかし、低血糖を引き起こす原因はほかにもありました。

その原因は、なんと高血糖。

高血糖が低血糖を引き起こす──。

なんとも矛盾するような話ですよね。
しかしこれこそが、糖尿病の血糖コントロールのむずかしさと重要性を象徴するような話なのです。どんなものなのか詳しく説明していきましょう。

糖尿病の人が食事をとるとしましょう。すると、食中・食後から血糖値がグングンと上がっていきます。糖尿病の人の場合は、そうでない人に比べて血糖値の上昇が早く、普段から血糖値が高いため、容易に高血糖になります。
健康な人であれば、ある程度血糖値が上がるとインスリンが分泌され、血糖値は落ち着きます。しかし糖尿病の人の場合は、インスリンの効きが悪かったり、インスリンそのものが分泌されにくかったりするなどの理由で、血糖値を速やかに下げることができません。

血糖値が140mg/DL以上になると、今度は尿の中に余分な糖が排出されるようになります。
これは血液中にあった糖が腎臓を経由して尿として排泄されるという意味ですが、大量の糖を排出するために、腎臓は多量の水分も一緒に排出させます。

そのようにして糖を失った体は、一転して、高血糖から低血糖へと変化してしまうわけです。
そうなると、低血糖症状として空腹感や眠気を感じてしまうこととなります。

また、水分を失っているので、体は脱水状態に陥ります。
それに加えて、大量の糖を排泄させるために、腎臓には負担がかかっています。これらの疲労のためにも眠気が出現します。

日ごろから「血糖値を下げなさい」といわれている糖尿病の人にとっては、「低血糖となり血糖値が下がるなら結構なことじゃないか」と思われるかもしれませんね。
しかし、ことはそう単純ではありません。

低血糖であれ高血糖であれ、糖尿病の人が食後に特に強い眠気に襲われる場合は、血糖値の極端な上がり下がりが関係しています。食後は誰でも血糖値が上昇しますが、先ほどもお話ししたように、糖尿病や糖尿病予備軍の人は、血糖値の上昇が普通の人よりも大きいのです。

この強烈な上昇と乱降下は「グルコーススパイク」とよばれています。グルコーススパイクとは、空腹時血糖値と食後高血糖値の差をいいますが、この差が大きいほど低血糖や高血糖による眠気を引き起こしやくなるだけでなく、糖尿病そのもののコントロール悪化にもつながるのです。

グルコーススパイクのように、空腹時血糖値と食後血糖値の差が大きく、血糖値が乱高下する状態では、糖尿病だけでなく動脈硬化のリスクが非常に高まることも知られています。
マウスの実験でも、常に高血糖のマウスよりも、血糖値を急上昇させたマウスのほうが、血管へのダメージが大きかったという報告があるほどです。

このことからもわかるように、糖尿病の方にとっての強い眠気はグルコーススパイクに関連している可能性があり、それは血糖コントロールがあまりうまくいっていないという可能性を示唆しています。
糖尿病治療中に、しばしば強い眠気に襲われるようであれば、もう一度治療を見直してみるといいかもしれませんね。

眠気を起こしにくくするには?

強い眠気というのは確かに困りものです。
仕事の効率が落ちてしまったり、もしくは車の運転ができなかったり。しかし、これまでお話ししたように、糖尿病の方にとって眠気自体は大きな問題ではありません。むしろ、頻繁に眠気が起きているということは、糖尿病のコントロールに問題があると考えるべきであり、その事実に注目すべきなのです。眠気が起きにくいということは、グルコーススパイクが少なくなったとも考えられます。

ここでは、グルコーススパイクを少なくし、眠気を減らすためのコツをいくつかご紹介します。

●食事のスタートは食物繊維から

食後に強い眠気を感じるなど、食後高血糖の兆しがあるならば、血糖値の急上昇を防ぐために、食事では、できるだけ食物繊維から先に食べるようにこころがけましょう。消化の遅い野菜などの食物繊維を先に食べることで、消化吸収がゆっくりになります。そのあとで糖質をとることで、急激な血糖上昇を抑えることができます。

●よく噛んでゆっくり食べる

一度にたくさん食べないようにすることを意識して、ゆっくりと食べましょう。そうすることで、食物繊維を先に食べるのと同様に、消化吸収をゆっくりにすることができます。

●間食をできるだけ避ける

間食を常にしていると、血糖値は下がることができません。こうすると、インスリンがだらだらと出続けてしまい、効きが悪くなってしまいます。
このような方は、まず間食をやめてみるなど、血糖値のメリハリを意識すると良いですね。

●食事中、食後すぐは、たくさん水を飲まない

水を飲んでしまうと、消化液の酸が薄まってしまい、結果的に消化活動を妨げられ、消化器官に負担がかかります。
すると全身の血液は脳よりも消化器に集められてしまい、眠気を催すことにつながります。食事中に水を飲むことは消化を促進する上では、あまりよくありません。ですから
食事中、さらに食後3時間は消化活動の邪魔をしないように、極力水を飲まないほうがいいといわれています。同様に大量に食べると、消化管の負担となります。当たり前のことですが食べ過ぎには注意をしましょう。

●20分程度の昼寝をする

それでも、疲労やストレスなどが蓄積すると日中耐え難い眠気が襲ってくることもあります。そのような場合は、20分程度の仮眠をとることも有効です。
ポイントは20分以上寝ないこと。長く寝てしまうと、今度は起きられなくなってしまいます。短時間の仮眠は仕事の能率を上げ、頭をリフレッシュするのに効果的であるという研究結果もでています。

今回のまとめ

これまでお話ししたように、糖尿病の人にとって眠気というのは一つのサイン。「たかが眠気」と思うことなく、症状改善の目安の一つとしてとらえていきましょう。

・食後、高血糖から低血糖に移行することで眠気がでやすくなる

・血糖値の急激な上下をグルコーススパイクという

・グルコーススパイクは眠気だけでなく、糖尿病そのものの悪化につながる

・食事は、食物繊維からはじめ、ゆっくりよく噛んで食べる

・食事中はたくさん水を飲まないようにする

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