前回は、「糖尿病の食事制限」と「インスリン治療」で骨粗しょう症になる確率が高くなりますよ、とういうことをお伝えした内容でしたね。
食事制限のなかでもカルシウムやビタミンDが不足しないようなメニューにしていくこと、インスリン治療が骨粗しょう症の原因になっていないか検査することの大切さについても、少し触れました。
※「糖尿病と闘う」とは、食事療法・運動療法・薬物療法を組み合わせて、医師の指導のもとで、糖尿病が悪化しないように真剣に取り組むことを意味します。特定の食品が糖尿病に効くことを示唆するものではありません。※ご紹介する声は、特定の食品が疾病に効くことを示唆するものではありません。あくまでも、読者の皆さまが医師の指導のもとで食事療法・運動療法・薬物療法に取り組まれた結果です。
糖尿病だとどうして危険なの? その2
★前回のまとめ
骨粗しょう症は
・生活習慣
・ホルモンバランスの乱れ
・加齢やカルシウムなどの栄養素の不足
が主な原因です。
糖尿病との関連は
・食事制限による栄養素の不足
・インスリンの問題によって骨の形成が妨げられる危険性
糖尿と骨粗しょう症の危険な関連性について、引き続き考えてみましょう。
ホルモンのバランスが糖尿病にも影響していることは知られていますが、骨粗しょう症の原因のひとつに、加齢によるホルモンバランスの崩れがあげられます。
閉経後の女性に多い骨粗しょう症が多いですが、それは女性ホルモンが減少していることによって骨がもろくなっているからです。
女性ホルモンの低下は、糖尿病や骨粗しょう症になる確率を高めているといえますが、「ホルモンの一種であるインスリンを投与して血糖を下げているのに、どうしてホルモンのバランスが崩れるの?」という疑問も出てくるかもしれませんね。
インスリンはすい臓で作られるホルモンです。
糖尿病にはインスリンが作れない1型とインスリンがあっても働かない2型があります。通常作られる以上にインスリンを投与しすぎてしまうと、骨の育成に影響が出てしまうんです。
血糖が下がり過ぎて、脳細胞にブドウ糖の不足した状態が長く続けば、低血糖症を引き起こすことになるだけでなく、骨を作り出すエネルギーも減ってきて、骨代謝のバランスも崩れてしまうと考えられます。
インスリンは不可欠ですが、インスリン注射をしている場合、インスリンが多すぎても少なすぎてもダメだということになります。
それで、インスリン(ホルモン)調整が上手くいかなければ骨粗しょう症を引き起こす原因を作り出してしまうというわけですね。
さらに、高血糖状態が続くことが、骨粗しょう症を発症しやすくさせるともいえます。
高血糖の人は尿にカルシウムが排出されやすい状態になっています。
ということは、糖尿病の人はカルシウムを排出しやすい状態になっている、ことになりますね。そうだとすると、骨を作る力が弱くなるのもうなずけますよね。
また、カルシウムと同時に骨の育成に役立つマグネシウムも排出されやすくなってしまうので、スカスカの骨になってしまうというわけです。
高血糖の場合はコラーゲンの量も減ってしまうので、そういったことも原因で、骨がもろくなると考えられています。
あわせて血流が悪くなってしまいますので、さまざまな弊害が体に出てくるのです。
高齢の女性や骨粗しょう症の女性に冷え性が多いのは、これに起因しているのかもしれません。
このように、糖尿病であることが、骨粗しょう症を発症させる原因になったり、お互いに悪影響を及ぼし合う、ということがわかりますね。
それでは、どうすれば予防できるのか?
ということを考えましょう。
骨粗しょう症を防ぐ生活
まず糖尿病と同時に注意すべき点としては、共通因子を克服することがあげられます。
喫煙・飲酒・ビタミンやカルシウムの不足・運動不足など生活上の原因ポイントをしっかりチェックしましょう。
・禁煙をする
・飲酒は控えめにする
・運動を持続する
運動に関しては、毎日続けられる軽いものが有効です。ストレッチ、体操、ウォーキングなどですね。
さらにエレベータは最小限にして、階段や自転車、歩くことを意識するようにして、車や乗り物ばかりの生活に頼らないといった糖尿病も骨粗しょう症も、両方の予防にも役立ちますね。
また、意外と思われがちですが「歯周病のチェックをきちんとすること」も予防になるんですよ。
え?どうして?
と思いますが、歯周病の治療を行うと骨粗しょう症になりにくい、改善したという研究がなされ、現在も継続中ということなんです。
歯の健康にカルシウムが関係しているからかもしれません。
また糖尿病の人は歯周病にもなりやすと言われています。
ですので、歯周病がある場合は、糖尿病や骨粗しょう症になりやすい、ということもできますね。
また骨を丈夫に保つには次の点にも注意してください。
糖尿の治療では、生活習慣の乱れや肥満などによりインスリン分泌が減少することが一番心配です。
インスリン分泌が減少すると骨粗しょう症になりやすくなります。皆さんがされていることですが、毎日の食生活に普通以上に気をつけなければいけないということですね。
しいたけ、レバー、サンマ、鮭、カレイ、などの食材にビタミンDは多く含まれていますから積極的に摂りたいですね。
それからビタミンDをとる時に気をつけたいのはアルコール。
アルコールの過剰摂取はビタミンDを抑制してしまうので苦労が水の泡になることもありますから、適度な飲酒の生活は不可欠です。
糖尿病の悪化が、骨粗しょう症を誘発する恐れがあるのであれば、逆に言うと糖尿病治療の基本である
・バランスのとれた食事制限
・適度な運動
・禁煙、節酒などの生活習慣の見直し
この3つを、さらに意識していくことと、そしてそれに加えて、カルシウムやビタミンDといった骨粗しょう症予防を意識した食品を積極的に摂り入れることが、予防に繋がるということになりますよね。
日常の中で、すぐにできることから始めて、しっかりと骨粗しょう症を予防していきましょう!
今回のまとめ
糖尿病と骨粗しょう症の危険な関係には
・インスリン(ホルモンバランス)による低血糖症状
・高血糖による、カルシウム等の排出
こういうことがあります。
・予防は普段の運動癖をつけること。階段の利用、電車、車を控えるなどちょっとした工夫。
・歯周病も糖尿や骨粗しょう症に関係するので、定期チェックを怠らない
・アルコールはビタミンDの食品を摂る時には控えめにする
→ 関連項目 糖尿と関係のあるミネラル
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