糖尿病と肩こりは関係がある!? -その1

糖尿病と肩こりは関係がある!? -その1

肩こりと聞くと、デスクワークや同一姿勢の作業でなることが多いとされ、近年では、スマートフォンの操作のしすぎによる肩こりが問題になっていますね。
実は、糖尿病を持っている患者さんに多い訴えも、肩こりや肩付近の痛みなのです。一見関係なさそうに思える両者ですが、実は関係があるのです。

糖尿病と肩こり、どのような関係性があるのでしょうか?詳しく見ていきたいと思います。

糖尿病と肩こりの因果関係とは?

まずは、軽く糖尿病についてのおさらいをしていこうと思います。糖尿病とは、インスリンの作用不足によって、慢性的に高血糖をきたす疾患です。症状は主に、口渇、多飲、多尿、体力低下、疲労感、体重減少などが挙げられます。

一般的な症状は上記のようなものとなり、肩こりという症状は挙がってこないため、糖尿病と肩こりは関係がないのではと思われてきました。

しかし、糖尿病と肩こりは関係があるのでしょうか?

答えは「あり」です。

肩こりを訴え続け、マッサージや針灸に通い続けてもなかなか改善しなかった方が、たまたま受けた検査にて糖尿病であることが分かり、糖尿病の治療を行ったことで、肩こりが改善したという事例が、近年、報告されています。

また、整形外科や接骨院に肩こりを訴えて来院する人の数%が糖尿病患者であるという調査もあるようです。

それでは、糖尿病と肩こりについてのメカニズムをお伝えしていきます。

■ 一般的な肩こりのメカニズムとは

まずは、糖尿病にかかっていない、健康な人の肩こりについてです。肩こりは、首から方や背中にかけて広がっている筋肉、僧帽筋が大きく関係しています。

デスクワークやパソコン作業、最近ではスマートフォンの長時間の使用によって、前傾気味の同一姿勢が続いてしまいます。それによって、筋肉の血行が悪くなります。筋肉
の血行が悪くなると、老廃物が溜ります。老廃物が溜ることによって筋肉が固くなり、弾力性が失われることによって肩こりは発症します。

また、疲れがたまってくると、固くなってしまった筋肉や、疲労によってたまった乳酸等物質の刺激によって、僧帽筋(首から肩、背中にかけて広がる大きな筋肉)の近くを通る末梢神経が圧迫され、傷ついてしまうことがあります。
この末梢神経は、痛みやしびれという感覚を脳に伝えてくれる神経です。

この神経が疲労物質によって圧迫されて傷ついてしまうと、血行不良が起こり、肩への違和感、しびれや痛みが生じます。

また、上記のように、僧帽筋が傷んでいるため、肩こりといっても、肩の真上のあたりというよりも、首の横や、肩甲骨周りに症状を訴える人が非常に多いとされてみます。
これがいわゆる健康な人、糖尿病を罹患していない人に起こる一般的な肩こりのメカニズムです。

糖尿病による肩こりのメカニズムとは?

それでは次に、糖尿病罹患者が多く訴える、糖尿病による肩こりのメカニズムをご紹介します。

糖尿病になると、血液内に糖の量が増えるため、血液の粘度が高くなります。そうすると、血液が全身に回りにくくなります。

この状態で脳への血流が滞ったり、血液内の糖によって血管が傷つけられたリ、血管を詰まらせてしまうことで、脳梗塞になるのです。これと同じような原因で、肩への血流が不足することで、肩周囲の筋肉への栄養を送ったり、不要となった老廃物を血中に戻すことが難しくなる結果、肩こりが起こってしまうのです。

また、糖尿病の影響で、腎症を併発していた場合、肩周辺に浮腫み(むくみ)が起こっている可能性があります。そうなると、肩周囲の浮腫みによって肩が重くなり、動きづらい、痛みが出現するなどの症状が出現します。

糖尿病そのものが原因である肩こりは、その血流から、肩甲骨の下あたりから、帯状に凝りが出現するという特徴があります。また、肩関節周囲炎、よく言われる五十肩が糖尿病罹患者には多いという特徴があります。

糖尿病に罹患していない、一般の人では2.5%ほどしかいないものの、糖尿病の患者さんでは11%もの人が、五十肩を発症するといわれています。

■一般の肩こりと糖尿病による肩こりの見分け方とは?

糖尿病を罹患していても、糖尿病による肩こりではない場合もあります。逆に、糖尿病と診断されていなくても、実は糖尿病予備軍で、それによる肩こりであるという場合もあります。

見分け方として、一般的な肩こりはちょっと横になったり、体勢を変えたりすることで、血流が回復し、痛みが緩和され楽になります。

しかし、体勢を変えてみてもなかなか改善しなかったり、徐々に症状が悪化しているもの、頭痛や背中の痛みなど他の症状を伴っているものであれば、病気を疑ってもいいかと思われます。

特に、上記でもお話ししたような部分の痛みがある場合は、かかりつけ医に相談するといいでしょう。

今回のまとめ

・糖尿病は、諸々の理由によって膵臓の細胞からインスリンが作られなくなったり、インスリンの分泌量が低下したり、抵抗性が弱くなることで、血液内の糖を代謝できなくなり、発症する。

・糖尿病の一般的な症状に肩こりという症状を明記している文献は少ないものの、近年、肩こりを訴え、改善傾向がなかった人が、検査を受けた結果、糖尿病であり、糖尿病を治療したことで肩こりが改善したという例もある

・糖尿病による肩こりのメカニズムは、糖尿病により、血液内の糖の量が増加することで、血液の粘度が増し、肩への血流が不足することで肩こりとなる場合と、糖尿病が進んで腎症となった際に浮腫みが生じ、その浮腫みが肩周囲に出現することで肩こりとなるという場合がある。

・特に、糖尿病による肩こりは、肩甲骨の下あたりから帯状に凝りが出現し、肩が重い、痛む、動きづらいという症状となって現れる

・肩を動かしたり、横になってみても改善の傾向がみられなければ、糖尿病による肩こりの可能性が高い

→ 関連項目 糖尿病と関節痛の不思議な関係 ー その1

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