新しい元号が「令和」に決まりましたね。
和を以て相手を尊ぶ、人として大切にしたい精神が表れているかと思います
さて、今回は気を付けたい「糖尿病の初期症状」についてまとめてみました。
どうぞご覧ください!
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1:初期症状は見落としがち?!
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いったい、いつが「糖尿病の始まり」だったのでしょうか。
2人の方に、発症当時の状況を振り返ってもらいました。
Tさん(53歳/男性)
私が発症したのは、42歳のときでした。当時は営業の仕事が忙
しく、全国を飛び回っていた時期だったため、付き合いと称し
て毎日のように外食をし、酒を飲んでいました。
今思えば、完全に自分の健康を過信していました。私の場合健
康診断で血糖値の高さを指摘され、その後の精密検査で糖尿病
と診断を受けたのですが、振り返ると、その1年半前から『だ
るさ』がありました。
朝は起きられないし、昼間は立っていられないほど疲労を感じ
ていました。正直『おかしいな?』とは思いましたが、病院に
行く暇もなかったし、時間が経てば治るかと思い様子を見てい
ました。
それ以前に『自分が病気になるはずがない』と思い込んでいま
したから。あのとき受診していたらもっと早く治療を開始でき
ていたはずです。忙しさにかまけて、自分の健康を過信しすぎ
ていました。
Sさん(58歳/女性)
異常なくらい喉が渇いて、毎日ペットボトルの水を3本飲んで
いたんですが、当時夏だったので、『今年の夏は暑いのかな』
くらいにしか思いませんでした。ばかですね。
秋口になっても、喉の渇きは収まらず、『おかしいな』と思い
始めた矢先のこと。友人と食事をしての帰り道、なんとなく足
がふらふらしているな、と思ったら次の瞬間には意識が遠くなっ
て、転んでしまいました。高血糖による意識消失です。
悪いことに、転倒の際に右の太ももを強く打ち付けてしまい、
複雑骨折となってしまいました。搬送された病院で調べたところ、
血糖値は600mg/dl以上あったそうです。
骨折は一応治ったものの、年齢のせいか冬になるとシクシクと
痛みます。『もっと早く気づいていれば……。せめて、病院に
検査に行っていれば』と悔やむときがあります。
2人とも、「なにか変だな」と感じていながらも、それがまさか糖
尿病だとは思わなかったようですね。「だるさ」、「喉の渇き」。
これらは、糖尿病の初期症状ではありますが、いずれも他の病気
や単なる体調不良でも見られる症状のため、ついつい見落とされ
がち。
また、「少し経てば良くなるかも」と様子を見ているうちに悪化
してしまうケースも少なくありません。
現在わが国では、はじめて2型糖尿病と診断された人の2人に1人が、
すでに慢性合併症の初期症状が見られるとも言われています。合
併症は、糖尿病の発症から平均10年後に現れるわけですから、そ
の間ずっと見つけられず、だいぶ経ってから診断されるケースが
増えてきていると思われます。
劇的な発症をする1型糖尿病に比べて、2型糖尿病の初期症状は水
面下で進行していくため、「診断時にすでにかなり進行してい
た」ということになりかねないのです。
また、糖尿病昏睡(とうにょうびょうこんすい)といわれる、高血
糖による意識障害は唐突に発症するため、転倒や事故などの二次
被害はもちろんのこと、昏睡による意識障害そのものが命に関わ
ることにも。
現在、糖尿病を患っているにも関わらず診断がなされていない、
「隠れ糖尿病」の人は、3人に1人いるとも言われています。
それらの人全てに、こういった重大なリスクがあるのです。
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2:代表的な初期症状 その1
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・異常な喉の渇き
糖尿病の方に聞くと、初期症状の自覚として「異常なほどの喉の
渇き」を訴える方は少なくありません。読者の方も、きっと身に
覚えのある方がおられるでしょう。
喉の渇きが生じる理由は、高血糖にあります。ご存知の通り、血
液中に糖が増えると血液がまるで砂糖水のように濃くなります。
糖は尿に出る時、同時に水分も一緒に出すため、尿の量が多くな
ります。その分、水分量は減っているわけですから、体は脱水状
態となってしまいます。
そこで、脳がもっと水分摂取をするように、血糖を薄めるように
指令をだすわけです。しかし、水分は飲んだそばから腎臓へ流れ
ていきますので、さらに排尿したくなるわけです。
とにかく喉が渇く→やたらと水を飲んでしまう→頻繁にトイレに
行く。これは、初期の糖尿病におけるお決まりのパターン。
この状態に悩まされたという方も少なくないでしょう。水ではな
く糖分のあるスポーツドリンクを摂取している場合は、知らぬ間
に血糖値が恐ろしいほど跳ね上がっていることも珍しくありませ
ん。
・視界がぼやける
初期症状のもう一つのサインは、「視界の歪み」
まるで、度の合わない眼鏡をかけているかのように、視界が歪ん
だり、ピントが合わせづらかったりといった症状が現れます。
そのため、仕事中パソコンの文字が読みづらかったり、自動車を
運転時に歩行者を見落としてしまったり、といったトラブルが起
こることもあります。
この原因も、高血糖にあります。24から48時間以上高血糖が続
くと、眼のレンズが水分を吸うように膨らみ、厚みが増すことが
あります。
これまでとは屈折率が異なるため、ピントが合わせづらくなって
しまうのです。多くの場合は血糖コントロールをよくすれば数日
で改善しますが、レンズが完全に元に戻るには6週間以上かかる
そうなので、高血糖が落ち着いてもその間は十分に注意をしなく
てはいけません。
★ 今回のまとめ
いかがでしたか?
発症当時のことを思い出した方もいたかもしれませんし、今の自
分がまさにこれだとドキッとした方もおられるかもしれません。
さらに糖尿の初期症状には何があるか、また次の回でも詳しく取
りあげていきます。
・糖尿病であるにも関わらず診断されていない人が3人に1人いる
・糖尿病とはじめて診断されたときに、すでに合併症を有してい
ることも少なくない
・喉の渇き、視界の変化などの初期症状があるが気づきにくい
・初期症状に気づかないために、知らぬ間に進行している可能性
がある