糖尿病改善のために 筋肉トレーニング-その1

糖尿病改善のために 筋肉トレーニング-その1

糖尿病の人にとって運動が大切であることは、百も承知
の事実です。しかしながら、どんな運動が糖尿病の人に
とってベストなのかを知っている方は少ないようです。

本日は、運動の中でも「筋肉トレーニング」に焦点を当
ててお届けします。アスリートがするイメージがある筋
肉トレーニングですが、実は、糖尿病の人にとって治療
効果を高めるうえで欠かせないものなんですよ。

筋肉トレーニングは、どのように糖尿病に効果があるの
でしょうか?

またそのやり方は?

今回は糖尿病改善のためにおこなう筋肉トレーニングに
ついてお送りします。

糖尿病と筋力の関係

まずは、糖尿病と筋力の関係から見ていくことにしましょ
う。

糖尿病患者の多いアメリカでは、すでに筋肉と糖尿病との
関係をめぐるいくつかの調査が実施されています。一例が、
カリフォルニア大学ロサンゼルス校で行われた調査です。
この調査では筋肉量とインスリン抵抗性の関係を調べてい
ます。

インスリン抵抗性とは、読んで字のごとく、体の中で分泌
されたインスリンに対する抵抗のこと。ご存知のようにイ
ンスリンは、血液中の糖を速やかに細胞に取り込んで血糖
値を下げる働きを促しています。インスリン抵抗性が高け
れば高いほどインスリンの効きが悪くなることを意味し、
結果として血糖値が下がりにくくなり、糖尿病が悪化しや
すくなってしまうというわけです。

調査によれば、被験者の筋肉量の比率が10%増加するごと
に、インスリン抵抗性が14%、糖尿病予備軍の発症リスク
が23%低下したとのこと。簡単にいえば、筋肉の割合の多
い人ほど、糖尿病になりにくい、またはなっても悪化しに
くいということがわかったわけです。

また、ハーバード大学公衆衛生学部の長期調査でも同様の
結果が出ています。筋肉トレーニング、すなわち筋トレを
おこなっていない人と行っている人とを比較すると、筋ト
レを週1〜59分おこなっている人の場合、糖尿病発症リス
クが12%減となるそうです。

さらに、週60〜149分では25%減、週150分以上では34%減
になるとされています。筋肉量が多いほど糖尿病発症リス
クが下がるというわけですね。調査によれば筋トレの時間
が1週間当たりで60分増えるごとに、発症リスクは約13%
減少するんだとか。なるほど、筋力というのは糖尿病の改
善に深く影響しているんですね。

これまで、ウォーキングやランニングといったいわゆる有
酸素運動の糖尿病予防効果は知られていました。しかし、
これらの調査からは、筋トレにもかなりの予防効果がある
ことが判明したのです。これは聞き捨てなりませんね。

糖尿病の人が筋肉トレーニングをした方がいい理由

筋肉トレーニングをして筋肉量を増やすことが、糖尿病の
予防や改善に役立つことは分かりました。しかし、なぜ筋
肉トレーニングをすることが糖尿病改善につながるのでし
ょうか。

まず、私たちは特に何もしていなくても、自然にエネルギ
ーを消費しています。1日中横になって何もしなかったと
してもエネルギーを消費しているんですね。これを基礎代
謝といいます。

基礎代謝はいわば、パソコンを立ち上げておくだけで使用
される電力のようなものです。パソコンを操作しなくても、
ただ立ち上げておくだけで、どんどん電力が消費されるん
ですね。そこで運動やスポーツをおこなうと、基礎代謝に
加えて、さらにエネルギーを消費するというわけです。

通常の運動習慣をもつ人の場合、1日の全エネルギーの約
60%は基礎代謝で消費されているといわれています。この
基礎代謝は人によって異なりますが、高ければ高いほど、
何もしなくても消費するエネルギー量が高いということに
なります。基礎代謝を上げることは、肥満対策、ひいては
糖尿病対策にも有効だといえるでしょう。なにしろ何もし
なくてもエネルギーを消費するわけですから。

では、どうしたら基礎代謝を上げられるのでしょうか。実
は、基礎代謝が行われる場所の多くが筋肉です。言い換え
れば、筋肉は使わなくても存在しているだけでエネルギー
を消費してくれるということになります。全身の基礎代謝
のうち30%は骨格筋で代謝されています。骨格筋とは手や
腕などの骨格についている筋肉のこと。

これらの骨格筋が基礎代謝の多くを占めています。つまり、
骨格筋の量が大きければ多いほど基礎代謝もまた多くなる
というわけです。筋肉量が多いほど肥満になりにくく、糖
尿病にもなりにくく、糖尿病になったとしても悪化しにく
いということがお分かりいただけたでしょうか。

それだけではありません。私たちの体内で、高血糖の原因
となるブドウ糖をもっとも多く取り込む器官は筋肉です。
ところが悲しいかな、筋肉量は20歳代がピークで、その後
は少しずつ減少し、80歳代では30歳代の頃の60%程度にな
るといわれています。そのため中高年になると、当然のよ
うに筋肉量は減少し、ブドウ糖の消費量も減少します。

しかし、そこで食事量が変わらなければどうでしょうか。
当然、余ってしまった糖は使われないまま血液中に放置さ
れ、高血糖の原因となってしまうのです。食事量は変わっ
ていないにもかかわらず、加齢とともに筋肉量が減り、糖
尿病が悪化してしまうというパターンです。しかし、逆を
言えば、筋肉量を増やせば消費も増えるということです。

このように、糖尿病の人にとって筋肉というのは二つの重
要な役割を果たします。一つが基礎代謝の上昇。肥満を予
防する働きですね。そしてもう一つが、筋肉を動かすこと
で直接血糖が消費されるという働きです。これら二つの点
から、筋肉量を増やすことは糖尿病予防・改善をするうえ
で欠かせないというわけなのです。

今回のまとめ

★今回のまとめ

糖尿病の人にとって運動とは、単にエネルギーを消費する
ためのものではありません。筋肉量を増やし血糖を上げに
くくするという観点からも、筋肉量を増やすための筋トレ
等の運動が必要になります。

・筋肉量が多いほど、糖尿病になりにくい

・筋トレをしている人ほど、糖尿病になりにくい

・筋肉量が多いと基礎代謝が高いので糖尿病になりに
くい

・筋肉を動かすことは、糖の消費に直接つながる

→ 関連項目 糖尿病とスポーツその1

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