糖尿病の方のメンタルケア-その②「うつ病」

糖尿病の方のメンタルケア-その②「うつ病」

前回は、糖尿病とストレスの関係性についてご紹介しました。ストレスを感じやすい環境下であるのに、メンタルケアが軽視されており血糖値を上げやすく、糖尿病を悪化させる悪循環が生まれてしまうのが分かりました。
今回は、糖尿病のメンタルケアを考えると切っても切り離せない「うつ病」についてご紹介します。

糖尿病は「うつ病」になりやすい

糖尿病とうつ病は、異なる病気です。しかし、このふたつの病気は関連が深いといわれています。うつ病を研究している医療センターの統計によれば、糖尿病患者でうつ病を発症している確率が約11%、うつ病の疑いがある患者は30%以上もいると結果が発表されています。健康的な方のうつ病の発症確率の頻度が0.9~12.7%程度なので、比較したらどれだけ糖尿病の方がうつ病になりやすいのか分かります。
また、糖尿病でうつ病を併発すると合併症のリスクも高まります。既に合併症を引き起こしている場合は、うつ病を併発したことで悪化させる可能性があると指摘されています。
つまり、糖尿病の方はうつ病になりやすいだけでなく、一度うつ病を発症すると糖尿病の症状も悪化させることにもつながります。

うつ病が併発すると糖尿病の治療にどんな影響を与えるのか

糖尿病でうつ病が併発した場合、糖尿病の治療に影響が出ます。心理面では、うつ病が発症することで何に対してもやる気や興味を無くしてしまい、治療に対して消極的になっていきます。消極的になると通院や食事制限に対してもやる気が無くなり、治療に支障が出てきます。
また、うつ病が発症すると自律神経のバランスが崩れます。そのため、異常に汗が出る、めまいが起こる、不眠または過眠という睡眠障害が起こる、疲労感が拭えないなどの症状が出やすくなります。これらの症状は、生理的なストレスだと体が判断して血糖値を上昇させます。うつ病が発症するとストレスを感じやすくなるので、糖尿病が発症している状態だとさらに血糖値が上がりやすくなり症状が悪化します。
さらに、糖尿病とうつ病を同時進行で治療を行う際に問題なのが「薬」です。うつ病の治療は、薬物療法が中心なので、発症している方に合わせて効果的な薬を処方します。しかし、その中に血糖値を上げる作用を持っている薬も存在します。糖尿病と併発しているのなら、血糖値を上げることを避けなければなりません。しかし、そうなるとうつ病の治療ができない…とまるでシーソーの上を行ったり来たりしているようなジレンマが起こり悪循環に陥りやすくなります。
また、ある研究の結果では、糖尿病を持っている方がうつ病を併発すると医療費が4.5倍も上がり、セルフケアでの治療の習慣が悪くなって血糖コントロールが難しくなります。その結果、死亡率が1.6倍上がることが明らかになっています。
このようにうつ病は、糖尿病を悪化させる因子といっても過言ではないことが分かります。

自分で行うメンタルケア

糖尿病の治療を円滑に行うには、うつ病を併発させないようにすることが大事なので、発症させない方法を考える必要があります。うつ病を発症させないためには、メンタル面を健康に保つことが大切です。メンタル面を健康に保つ方法としては、以下の3つがあります。

1.自分がうつ病を発症しやすいタイプなのか知る
うつ病は、発症しやすいタイプと発症しにくいタイプがあります。うつ病を発症しやすいタイプは、メランコリー親和性気質の方です。メランコリー親和性気質とは、秩序を守り勤勉で何事にも細かく責任感が強くて協調性のある性格です。この性格の方は、「真面目」や「良い人」と呼ばれることが多く、物事を律儀にすべて受けてしまい、受け流すことができません。そのため、過度のストレスを抱えやすくてうつ病になりやすいのです。
ここまでの内容に当てはまると思った方は、うつ病を発症しやすいタイプなので要注意です。
極端にいうと「うつ病を予防するには、良い人でいることをやめたほうがいい」とも考えられています。場面に応じてわがままや図々しさも必要であり、メンタル面を安定させるには大切なことだといえます。

2.意識して日頃から葉酸を摂取する
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターの功刀浩医師によると、葉酸の摂取が少ないとうつ病のリスクが上がると考えられています。葉酸は、タンパク質や神経伝達物質などを合成するのに必要なビタミンの一種です。うつ病は、神経伝達物質の働きが低下することが原因で発症するといわれているので葉酸が不足するとうつ病になりやすくなります。そのため、意識して日頃から摂取する必要があります。
葉酸は、レバーやモロヘイヤ、芽キャベツ、ほうれん草、パセリなどに含まれています。これらの野菜を毎日の食事に取り入れることで、葉酸不足を解消できます。特にモロヘイヤと芽キャベツなど食物繊維が多く含まれている野菜は、食事の始めに摂ることで体への吸収を穏やかにして血糖値の急な上昇を防ぐことができます。食事の際は、始めに葉物野菜を摂るように心掛けましょう。

3.環境の変化に注意
うつ病は、突然発症するのではなく「きっかけ」があります。そのきっかけは、近親者の死亡、離婚、失業、事業の失敗などのつらい出来事が多いとされています。他にも、結婚や出産、マイホームの完成、仕事の昇進などうれしい出来事でもうつ病が発症するといわれています。このような、これまでの生活が大きく変化することで発症するきっかけを作り出します。
良くも悪くも生活上に何らかの変化があったときはストレスをためやすいので、注意が必要です。
環境の変化が起こったときは、意識して休養や睡眠を十分にとることが大事です。うつ病は、精神と体への負担が大きいときに発症しやすいので、意識して体への負担を取り除けるようにしましょう。

糖尿病とうつ病が併発すると厄介だから予防を!

糖尿病とうつ病が併発すると、治療が上手くいかなくて悪循環に陥りやすいことが分かりました。このふたつ病気を併発させないためには、うつ病にならないように意識して行動することが大事です。
うつ病になりにくくなる3つのポイント「自分の性格を把握する」、「うつ病の発症リスクを下げる葉酸を意識して摂る」、「体への負担を取り除けるようにする」を意識しましょう。
そうすれば、糖尿病との併発を防ぎ、治療を順調に進めていく環境を整えることができます。

→ 関連項目 糖尿病の方のメンタルケア-その①「ストレス」

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