わが国で一番、訴えの多い病気って何だと思いますか?
それは、あちこちで耳にする、あの病気。そう、今日も聞こえてきますね。もしかしたら、あなた自身も言っているかもしれません。
「あ~、腰が痛い」と。にくづき(肉月)に肝心かなめのかなめ(要)と書いて、「腰」と読みますが、言うまでもなく腰は人体の中心にあり、歩いたり、立ったり、走ったりといった動作においてかけがえのない存在。
腰痛は、日本人の実に8割以上が経験している最もポピュラーな病気なのです。本日は、この国民病とも言える腰痛と糖尿病の意外な関係についてお話します。
実は関連がある、糖尿病と腰痛
腰痛をもたらす病気は、急性腰痛症、ぎっくり腰、椎間板ヘルニアなどが有名ですが、実はこれらは全体の2割に過ぎず、残り8割の腰痛患者は原因が特定されていません。
そう、腰痛のほとんどが原因不明なのです。しかしその中でも、腰痛を引き起こしやすい要因のひとつとして知られているのが、「肥満」です。
太り過ぎ、または痩せすぎなどの体の重さと、腰痛の関係を調べたところ、肥満度が高いほど、腰痛になりやすいということが分かっています。
体重が重ければ、それだけ上半身を支える腰周りの筋肉や腰椎に負担がかかるため、それが原因となり腰痛を引き起こしやすいからでしょう。
さらに、体重が多い人ほど、ちょっとした歩行や運動にもエネルギーを使うことになるため、疲れを感じやすくなり、ジョギングや水泳などの運動を避けがちになるそうです。
それだけではありません。運動を行わない人は、加齢とともに筋力が年々衰えていきます。当然、腰の骨すなわち腰椎を支えている腹筋と背筋もまた衰え、そのバランスが悪くなってしまうため、上半身をうまく支えることができなくなってしまいます。
バランスよくまっすぐに立つことができなると、姿勢が悪くなったり、無理な体勢や姿勢をとったりするので、それがまた腰痛の引き金となってしまうのです。
運動不足で失われるのは、筋力だけではありません。循環する血液も同じこと。運動を行うと胸がドキドキして、心拍が早くなり、全身に新鮮な血液が循環しますが、運動を行わないと、当然これらの循環促進は起こりにくくなって、血流が低下します。
これもまた、腰痛の原因と言われています。したがって、一度肥満になると肥満そのものの重みでさえ腰痛を引き起こしやすいというのに、さらに筋力の低下や運動不足による循環血液の低下から、腰痛が悪化の一途をたどるという方も少なくないのです。
つまり・・・
太っているから疲れやすい
↓
運動したくない
↓
だから太る
↓
腰に負荷がかかる
↓
腰痛が悪化してしまう
↓
ますます運動ができない
という悪循環に陥ってしまうのです。
そして、ご存知の通り糖尿病を患っている人もまた肥満が多いと言われています。
肥満が糖尿病の危険因子であることは言うまでもなく、糖尿病の人は一般人と比べ肥満度が高いと言われています。そう考えると、糖尿病の人はその他の人と比較して、そもそもより腰痛を発生させやすい環境にあると言えるでしょう。
さらに、血液循環の低下は腰回りの筋肉をこわばらせ腰痛を悪化させます。高血糖があると血管の中の血液はちょうど水あめを混ぜたように粘り気を増し、血液循環をさらに低下させてしまうのでしたね。
ただでさえ、運動不足のために低下してしまった血液循環がさらに低下し、結果として腰回りの筋肉が凝り固まらせてしまい、腰痛がひどくなってしまうことは想像に難くありません。
糖尿病があると、普通の人よりも腰痛を起こしやすい理由がおわかりいただけたでしょうか。
糖尿性神経障害が原因の場合
このように糖尿病があると、肥満や運動不足、それに高血糖状態による血液循環の低下のために、慢性的に腰痛になりやすい状態に陥ってしまいます。
それに輪をかけて、糖尿病の3大合併症のひとつである「糖尿病性神経障害」を患うと、より直接的に腰痛症状が出てしまうことが分かっています。
では、ここで糖尿病性神経障害についておさらいをしておきましょう。
まず、糖尿病のために高血糖状態が長く続くと、血管の中を流れる血液がドロドロになるため、手足など末端の細い血管にいけばいくほどが詰まりやすくなります。
それと同時に、血管から栄養をうけとっている神経細胞もまた、新鮮な血液が巡ってこないために障害を受けやすくなってしまいます。そのために起こるのが、糖尿病性神経障害です。
3大合併症の中で最も頻度が高く、糖尿病の診断後10年たつと約半数の患者に起こると言われています。
神経障害の症状には、「手足のしびれ」「チクチクとした痛み」などがありますが、人によっては「腰痛」が起こる場合があります。
普通の腰痛が、腰回りの筋肉の疲労や腰椎の損傷などによって起こるのに対して、神経障害による腰痛は、神経の損傷のために起こる痛みのため、湿布やマッサージなどでは改善しないこともあるようです。
また、腰痛だけでなく足のしびれを伴うこともあります。
神経障害による痛みの特徴として、日中活動している時よりも、夜間リラックスしている時に痛みを感じやすいというものがあります。
普通の腰痛であれば、重いものを持ったり長時間同じ姿勢でいたりすることで痛みが出やすいのですが、神経障害による腰痛の場合は自宅でリラックスしている時や、場合によっては就眠時に布団の中で痛みを感じやすいそうです。
1日の疲れを取ろうと眠ろうとしたとたん、腰痛を感じるというのはなんとも辛いことですよね。
人によっては、普通の腰痛だと思っていたのに、実は糖尿病性神経障害によるものだと言うケースもあるそうなので、注意が必要です。
今回のまとめ
今回は、糖尿病と腰痛の意外な関係についてお話しました。腰痛というと、あまりにも一般的なために病気として感じられない方も多いかもしれません。
しかし実際には、持病である糖尿病と腰痛が深く関係しているのです。
・日本で一番訴えの多い病気は、腰痛である
・腰痛の8割が原因不明である
・肥満があると、腰に負担がかかりやすく運動不足のために腰痛になりやすい
・糖尿病の人は肥満が多く、また血液循環が悪いために、腰痛になりやすい
・糖尿病性神経障害のために腰痛が起こることがある
→ 関連項目 糖尿病性神経障害とは
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