糖尿病-ちょっとした風邪が大変な事態に!?-その2

糖尿病-ちょっとした風邪が大変な事態に!?-その2

前回は、風邪と糖尿病の関係についてお話しました。高血糖があ
ると、風邪にかかりやすく治りにくいうえに、アシドーシスや高
血糖高浸透圧症候群のような深刻な急性合併症を引き起こす可能
性があるのでしたね。

今回は、風邪と糖尿病の関係にさらに切り込んでいきます!

糖尿病の人に、風邪薬は禁物!?

風邪というのはだれもがかかる一般的な病気であるがゆえに、治
療法もまた一般的。わざわざ病院に行くまでもなく市販薬で済ま
せるという人も多いでしょう。

しかし、糖尿病がある場合、これらの風邪薬のうち服用に注意し
なければいけないものがあるというのをご存じでしたか?

最近の風邪薬はさまざまな種類があるので、成分別にいくつか紹
介していきましょう。

まずは、「プソイドエフェドリン」という物質。

鼻づまりを治療する成分として、総合感冒薬や鼻炎薬に配合され
ています。ところがこの成分、交感神経刺激作用があるために、
体内で脂肪の分解を促進させ、結果として血糖値を上昇させてし
まうのです。

また交感神経刺激作用のために、末梢血管収縮作用や心機能亢進
作用が働き、血圧を上昇させてしまい、血管に負荷をかけて糖尿
病を悪化させるおそれがあるのです。

同様の副作用をもつもので、ほかの成分では、「フェニレフリン」
「メチルエフェドリン」、「メトキシフェナミン」等があげられ
ます。漢方成分であれば「マオウ(主成分エフェドリン)」も気
をつけましょう。

ほかに、「アスピリン」を含む医薬品にも注意が必要です。
「アスピリン」は、インスリンの作用を増強することが知られる
ほか、「アスピリン」自体にも血糖値を下げる作用があることが
知られています。

自己判断で「アスピリン」を服用すると低血糖が現れやすくなる
おそれがあるので、とくにインスリンの自己注射を行っている方
は注意が必要です。

ここで少しばかり脱線しますが、「アスピリン」は、脳梗塞治療
などで「血液をサラサラにする薬」として処方されている方も多
くいらっしゃいます。風邪薬の他にも鎮痛薬にも含まれています。
知らないうちに服用してしまうことで「出血」や「低血糖」といっ
た思わぬ危険にさらされる可能性もあります。気をつけましょう。

お薬のことは医師や薬剤師に相談してくださいね。

風邪になった場合の対処

では、万一風邪をひいてしまった場合はどうしたらいいのでしょ
うか。早めに受診するのはもちろんですが、下記のサインが見ら
れた場合は、様子を見ずにすぐに受診することが大切です。

1.嘔吐、激しい下痢・腹痛、心臓の鼓動が異常に早い、息苦しい
 などの症状がある

2.38.5℃以上の高熱

3.350mg/dL以上の高血糖

4.食事、水をほとんど摂れない

4と関連しますが、食事が摂れなかったとしてもなるべく水分だ
けは飲むようにしてください。また、低血糖を経験したことがな
い患者さんが、風邪によるアシドーシスで初めて低血糖になるこ
ともあります。

初めての低血糖は、その症状が低血糖によるものだと気付くのに
時間がかかります。念のため、低血糖の症状を抑えておきましょ
う。

低血糖は、胸のどきどき、手足のふるえや冷や汗を諸症状とし、
ほかにも頭痛、物が二重に見える、ぼーっとして意識がもうろう
とする、昏睡などがあります。

いずれも激しい痛みや苦痛を伴うものでないことに注意しておき
ましょう。「なんだかいつもと違う」というのが低血糖サインで
あることは多いものです。低血糖は分単位で症状が進み、ご自身
で対処できなくなったり昏睡に至ることもあるので、大変キケン
な症状です。

とくにインスリン注射中の方は飴やシュガーといった、血糖を瞬
時に上げる食べものを常にバッグに入れていくことをオススメし
ます。

また、患者さんが高齢の方である場合は、周りの方が気にかけて
あげる必要があります。なぜかというと、高齢者の方の場合は低
血糖などの初期症状がはっきり現れず、それに加えて、認知機能
が少し低下していて、的確な判断が難しくなっていることがあり
ます。

気配りをいつもより少しプラスして、患者さんの安全と少しでも
早い回復をサポートしてください。いずれにしてもこまめな水分
補給が大切です。喉が渇いていなくても数時間おきに飲むように
勧めてください。また、食事をあまり食べられないのに、薬をい
つもどおり飲んでいるかにも気をつけましょう。

風邪で近医を受診する場合、いつものかかりつけ医でないことも
あるでしょう。その場合は、ご自身が糖尿病であることを必ず伝
え、そのうえで内服中の薬やお薬手帳を持参するようにしましょ
う。直近の血液検査のデータがあればなお良いでしょう。

今回のまとめ

風邪を完全に避けるというのは事実上不可能。

ですので、万一風邪をひいた場合の対処法を覚えておくことが大
切であるといえるでしょう。

知識があるのとないのとではいざという時に差が出るもの。

みなさんの参考になれば幸いです。

・市販の風邪薬は、血糖値を上げる成分含まれている場合がある
 ため注意

・発熱などの激しい症状のほか、脱水がある場合は直ちに受診を

・上記のような症状でなくても、「いつもと違う」と思った時は
 要注意

・受診の際は、お薬かお薬手帳を忘れずに

→ 関連項目 糖尿病-ちょっとした風邪が大変な事態に!?-その1

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