糖尿病と痛風・高尿酸血症との関係

糖尿病と痛風・高尿酸血症との関係

糖尿の合併症について、色々と取り上げてきましたが、今回は、
糖尿の合併症という訳ではないものの、糖尿とふか~い関係の
ある病気について、ご一緒に考えてみたいと思います。

※「糖尿病と闘う」とは、食事療法・運動療法・薬物療法を組み
合わせて、医師の指導のもとで、糖尿病が悪化しないように真剣
に取り組むことを意味します。特定の食品が糖尿病に効くことを
示唆するものではありません。※ご紹介する声は、特定の食品が
疾病に効くことを示唆するものではありません。
あくまでも、読者の皆さまが医師の指導のもとで食事療法・運動
療法・薬物療法に取り組まれた結果です。

痛風・高尿酸血症って、どんな病気?

■痛風って?高尿酸血症って?どんな病気?

痛風は、なった人にしか分からないと言われている、その強烈な
痛みが大きな特徴となっている病気です。

その痛いという症状は「足」に出るんです。

痛風の痛みは、突然、足の親指の付け根に発症します。赤く腫れ
上がり、風に当たっただけでも痛いというところから、この名前
がついているほどです。

歩いていたら、突然足に激痛が走り動けなくなるんですよ!

この痛みは1週間から2週間ほど続き、その後痛みは治まってい
きます。しかし、実は治ったのではなく、一時的に痛みが治まっ
ただけで痛風は進行しているのです(怖)

痛風は、食生活ととても関係しています。現代の食生活が豊かに
なるにつれ、痛風患者は増加してきました。

痛風の原因は、「尿酸」が血液中に増えてしまい、高尿酸血症に
なってしまうことにあります。

体内で「プリン体」が分解され、尿酸が生産されますが、このプ
リン体は、新陳代謝によって作られるということは聞いたことが
あるかもしれませんね。

しかし、プリン体というのは、食事からも体内に摂り込まれるん
です。そして、体内にたまったプリン体は、肝臓で代謝され、尿
酸となるのです。尿酸は、毎日入れ替わり、汗や尿や便として体
外に排出されます。

尿酸値が高い状態である、高尿酸血症という病気は、発症すると、
痛風だけでなく、高血圧、糖尿病など様々な合併症を引き起こし
ます。

過剰なプリン体の分解

尿酸の過剰生産

高尿酸血症状→痛風

こういった経過を辿る訳です。

もちろん、尿酸値が高いからといって、必ず痛風になるという訳
ではありませんが、その発症の危険は高くなりますよ。

それぞれの患者数は、どれくらいいるのでしょうか?

痛風患者は、全国に60万人いるといわれています。
そしてその95%が男性です。

高尿酸血症の患者は、痛風患者数の10倍の600万人はいると
いわれています。

ちなみに糖尿病患者は、2002年に厚生労働省が実態調査を行っ
た際、740万人という発表がされました。しかし糖尿病予備軍
は、880万人はいるといわれており、糖尿病患者と予備軍を合
わせるあわせると約1620万人もいるのです。

患者数は、年々増加しています。

もはや、自分には関係のない病気では、なくなってきているので
すよ。

糖尿病と痛風・高尿酸血症の関係とは?

これらの病気と糖尿病には、深~い関係があります!

たとえば戦前の食生活が貧しかった時代に、痛風にかかる人はご
く稀でした。戦後、食生活が豊かになり、痛風患者が激増したの
です。

また、痛風は食生活だけでなく、遺伝的な要素も、生活上のスト
レスとも深く関係していることも最近分かってきました。

そして糖尿病も同様に、食生活が豊かになった時代に現われた病
気であり、食生活だけでなく、遺伝的要素、ストレスなどの様々
な要因が原因となっています。

こういった、病気の原因や背景的な要素を考えてみても、痛風お
よび高尿酸血症と糖尿病は、とても類似している病気だと言えま
すね。

特に高尿酸血症と糖尿病は、併発しやすい病気です。高尿酸血症
と糖尿病は、病気を招く習慣がほぼ同じですので、糖尿病患者は、
尿酸値が高い人が多くなりますし、尿酸値が高い人は糖尿にもな
りやすいと言えますね。

痛風と糖尿病。そして、高尿酸血症は、互いに関わりあっており、
お互いがお互いの病状を進めていくという悪い関係性を持ってい
るのです。

しかし、様々な面で共通しているということは、治療法も共通し
ているということになります。痛風や高尿酸血症を改善すれば、
糖尿病の予防や治療にもなりますので、そういった意味では、組
していきやすい面もある訳ですね。

■痛風、高尿酸血症の原因について

では、ここで改めて、痛風や高尿酸血症の原因についてもう少し
詳しく考えてみましょう!

痛風発作の原因は、尿酸です。

尿酸が高くなり、高尿酸血症になった場合、痛風の発作が起こり
やすくなります。

体の中には血液が流れていますが、どんな人の血液にも尿酸とい
う物質が一定量あります。

しかし様々な原因で、血液中の尿酸の濃度が高くなってしまい、
飽和濃度を越えてしまうと、溶けなくなった尿酸は、ナトリウム
と塩(えん)を作り、それが結晶となります。そして、体内にど
んどん蓄積されてしまうのです。

尿酸の濃度が高い状態が続いてしまうと、この尿酸塩の結晶が関
節に沈着してしまいます。

尿酸塩が関節に沈着してしまうと・・・

あの強烈な痛みの、痛風発作につながります!

この尿酸塩は関節に沈着するだけでなく、臓器にも蓄積します。
特に腎臓には尿酸がたまりやすい傾向があるので、痛風発作を起
こした多くの患者さんが腎機能低下や合併症なども発症します。

その他にも、心筋梗塞・脳血管障害など様々な成人病を合併する
場合もあるので、痛風は「ただ痛いだけの病気じゃない」という
ことを、きちんと理解したいですね。

ところで、この記事でも出てきましたし、よく聞く、「プリン体」
ですが、プリン体にはたくさんの種類があり、それぞれがいろい
ろな働きをしますが、それらが最終的に分解され、尿の中に捨て
られる形になったものが尿酸です。

簡単に言うと・・・プリン体⇒尿酸

ということになります。

プリン体と呼ばれる物質の1つが尿酸なんですよ。プリン体は最
終的に分解され、汗や尿などに混じって体外に排出されます。

尿酸は1日に約0.6g作られますが、尿酸の産出が多くなった
り、プリン体を多く摂取したり、排泄機能が低下したりした場合、
尿酸が体内に蓄積してしまい、痛風発作を起こすのです。

※日本痛風・核酸代謝学会によると、尿酸値の値が7.0mg/dL
以上の場合を、高尿酸血症とするとされています。

痛風・高尿酸血症の危険度チェック!

■あなたの痛風危険度をチェックしてみよう!

痛風は、症状が出てからでないと自覚症状がありません。そして
その自覚症状はとても痛く辛いものですので、誰もがなりたくな
い病気の1つです。

下記にあげる痛風チェックをして、自分の体をしっかり予防しま
しょう。

以下の質問に当てはまる点数を合計してください。

1.健康診断などで受けた尿酸値の値

7.0mg/dL以下→0点

7.1~8.0mg/dL→1点

8.1~9.0mg/dL→4点

9.1~10.0mg/dL→7点

10.1mg/dL以上→10点

2.痛風の発作を過去におこしたことがある

ない→0点

1回ある→5点

2回以上ある→8点

3.4等身以内の血縁者に痛風患者の有無

いない→0点

いる→3点

4.尿路結石と診断されたことがある・ない

ない→0点

ある→2点

5.20歳の時より体重が10キロ以上増えている・いない

いない→0点

いる→2点

6.高血圧の有無

ない→0点

ある→1点

7.中性脂肪が高いと指摘されている・いない

いない→0点

いる→1点

8.アルコール飲料について

全く飲まない→2点

あまり飲まない→0点

良く飲む→2点

9.ビールについて

あまり飲まない→0点

よく飲む→1点

10.過食傾向

ない→0点

ある→1点

11.精神的ストレスの有無

少ない→0点

多い→1点

合計の点数が5点以下の場合は、痛風の心配は今のところありま
せん。

合計の点数が6~10点の場合は、日常生活での注意が必要です。

合計点数が11点から15点の場合は、治療の必要性が高いです
ので、専門医で受診しましょう。

合計点数が16点以上の場合は、すでに治療が必要な状態ですの
で、専門医で必ず受診しましょう。

■あなたは痛風・高尿酸血症の予備軍?

それほど深刻ではないにしても、あなたは痛風および高尿酸血症
の予備軍でしょうか?

・男性である

痛風は、男性の病気とも言われています。痛風にかかる男女比
は98:2とも言われているほど、男性患者のほうが圧倒的に
多い病気なのです。女性が痛風になりにくいのは、女性ホルモ
ンが尿酸を排泄するからだといわれていますので、女性ホルモ
ンが減少してしまう更年期には、女性も気をつけましょう。

・肥満気味である

痛風患者の2人に1人は、肥満だといわれています。肥満の方
は、高エネルギーな食事を好み、動物性たんぱく質を多く摂取
しすぎて、プリン体を体内に多く摂りこんでしまうのです。ま
た、肥満の方は汗を多くかく方も多く、汗を多くかくことで尿
酸値を高めてしまうのです。

・お酒が好きで、よく摂取する

アルコールには多くのプリン体が含まれています。特にビール
にはとても多くのプリン体が含まれており、ビール好きの方の
多くが痛風を発症しています。

・40歳以上である

痛風の実態調査を行なうと、痛風を発症する時期が40歳代か
ら50歳代が多いのです。最近では、30歳代でも発症する場
合も多く、どんどん、若年化していますので、若いからといっ
て油断は禁物です。

・動物の内臓、魚の卵などの珍味が好物である

珍味といわれる、鳥や豚のレバー、白子、えびなどには多くの
プリン体が含まれています。プリン体を多く食品は、レバー、
いわし、かつお、えび、さんま、まぐろ、車えびなど。肉系だ
けでなく、魚介類系にも多く含まれていますので、注意しましょ
う。

・ストレスを感じ、ストレスを発散する時間がない

ストレスを感じると、痛風が発症しやすいという研究発表がさ
れています。ストレスがたまっていたり、疲労がたまっている
場合は、尿酸値が上昇し、痛風の発作がおこりやすくなります。

なぜ、ストレスから尿酸値が上がるのかという原因ははっきり
と解明されてはいませんが、ストレスをためないストレス発散
方法を見つけるのも大切ですね。

・激しい運動をすることがある

痛風だけでなく、肥満や様々な病気を予防するためには、運動
が大切です。しかし、適度な運動ではなく、激しい運動をする
方が多くいらっしゃいます。激しい運動をすると、無酸素運動
となり尿酸が増加してしまうのです。そのため、尿酸値が上が
り、痛風の発作が出てしまう場合もあるのです。運動をする場
合は、有酸素運動を心がけましょう。

・家族や親戚に痛風患者がいる

痛風は遺伝的な要素も関係する病気だといわれています。しか
し、一般的には食生活や生活習慣などの共通点が、家族や親戚
にはあるためというのが大きいといえます。親子での痛風はよ
くあることなんですよ。

さて、いかがでしたか?チェック項目が多ければ多いほど、あな
たは痛風や高尿酸血症になりやすいといえますよ。

痛風・高尿酸血症を予防するには?

■ど~しても、お酒が飲みたい~という方は・・・

痛風や糖尿病の改善の基本は、食習慣の改善!
も~、分かってる。何度も何度も言わないで~~

そんな気持ちの方も多いのではないでしょうか?

食習慣を見直すことは大前提ですが、お酒だって、食事だって、
好きなものを摂りたいという気持ちは当然ですよね。

あれもダメ、これもダメでは、ストレスも溜まり疲れてしまって
長続きしないことも多いですよね。

ですから、時には食べたい物を食べてもいいし、飲みたい物を飲
んでもいいと思うのです。もちろん、大量摂取してしまうのは問
題がありますが、1週間に1回、自分へのご褒美としてグラスに
1杯ビールを飲む・・・というのは、多くの方の場合全然問題あ
りません。

お医者さんの中にも、そういった何でもかんでもダメ!という方
針は、患者さんの治療への意欲を奪うものだと考えている方も多
くおられるのです。

たとえば、痛風を改善するには、やはりプリン体の摂取量を極力
控えるということが常識となっていますが、アルコールが大好き
な方はどうしてもアルコールを飲みたくなりますよね。

「週に1回のビール1杯じゃ、物足りなさ過ぎる!」

と思うのであれば、ビールではなく、蒸留酒を少し飲むようにす
ることもできますよ。

ビールには多くのプリン体が含まれていますので毎日大量に飲む
というのはオススメできません。しかし、蒸留酒はプリン体を含
んでいないので、ビールよりも多少は多く飲んでも大丈夫です。

蒸留酒であるウィスキーや焼酎で、アルコールを飲みたいという
欲求を満たしてみてはどうですか?

また、ウィスキーの琥珀色の元となっている成分には、痛風の発
作を予防する成分が多く含まれているので、お酒を飲みたいと思っ
た場合は、蒸留酒で我慢するようにするのは、どうでしょうか?

■調理方法を見直してみよう!

アルコールだけでなく、プリン体を多く含む食品が大好きだとい
う方もいらっしゃると思います。プリン体の多い食品は、肉の内
臓系や魚介類です。

肉も魚も避けたほうがいいとなると、食に対しての楽しみがなく
なってしまいますよね。

そうならないためにも、調理方法を工夫してみてはどうでしょう?

魚の内臓には、多くのプリン体が含まれています。ですから、魚
の内臓を取り除いて調理するだけでも、プリン体の摂取を少なく
することが出来ますよ。

特に、しらす・ちりめんじゃこ・煮干・めざしなど、内臓ごとに
すでに調理されている物を避けるなど、魚の種類を選ぶことでも、
摂取量を減らすことができます。

水溶性であるプリン体は、すぐに水中に溶け出してしまいます。
ですから、魚や肉を調理する際は、ゆで汁は必ず捨てるようにし
ましょう。水溶性である性質をうまく利用した料理がしゃぶしゃ
ぶです。プリン体が水中に溶け出すので、プリン体を摂取する量
を減少させることが出来ますよ。

■実は、ビールって・・・

痛風や高尿酸血症については、実に様々な研究がなされています。
痛風の原因となっているプリン体。ビールには多くのプリン体が
含まれているため、ビールを好む人が、痛風になりやすいという
常識が出来上がってしまいました。

ですので、お医者さんからも「ビールは飲まないように」と言わ
れ、痛風の方は大好きなビールを我慢しなければならないという
状況になってしまっています。

でも、最近ではこの認識が少しづつ変わってきているのを知って
いましたか?

ビールを飲んだだけでは痛風にならないという考え方も提起され
ているんですよ!

痛風の元である尿酸、そして、尿酸の元であるプリン体というも
のは、7~8割は体内で生産されるものです。食べ物や飲み物か
らの摂取するプリン体の量は、痛風の大きな原因となるほど口か
らは摂取することが出来ないともいわれているのです。

では、なぜビールが痛風の大きな原因の1つだといわれてきたの
でしょうか??

たとえば、夏場は誰もが冬場よりも汗をかきますよね。汗をかく
と、当然血液が濃くなってしまいます。通常の濃度になるほどの
水分を十分に摂取できればいいのですが、それが難しい方も多い
ようです。

実際に、夏場に汗をかくからといって、仕事中に常に水分を摂取
するわけにはいけませんよね。

夏場は汗をかき、血液の濃度が濃くなる上に、暑いからといって
ビールの量も増えますよね。そこから、ビールが悪者にされてき
たという意見もある訳です。

もちろん、だからといって、ビールを沢山飲んでいいというわけ
ではありませんよ!

尿酸値が高い人や、痛風になってしまった方は、少しでも多くの
水分をとることが大切です。尿酸は、最終的に尿となって排出さ
れることはご存知ですよね。水分が足りなければ、尿から出る尿
酸がおのずと減ってしまい、尿酸値を高めてしまいます。

こまめに水分を摂るようにすることで、尿酸値に変化が現われる
はずです。水分をビールで補おうという考えを捨て、お水をきち
んと、摂取するように意識してみましょう!

痛風も、高尿酸血症も、そして糖尿も決して単純な病気ではあり
ません。しかし、正しい情報とその改善策をしっかりと理解し、
地道に取り組む時、それが良い結果になって返ってくるはずです!

まずは、改善への第一歩を始めてみましょう!

→ 関連項目 糖尿病に克つ食習慣のパターンとは?

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