糖尿病-減塩のススメ!-その2

糖尿病-減塩のススメ!-その2

前回は、糖尿病と塩分の関係についてお話しました。
糖尿病の人は高血糖のために血管のダメージが起こりやすく、塩分過多になるとさらに血管の損傷が進みやいため、3大合併症を招きやすくなるのでしたね。

今回は、塩分過多が糖尿病の人に及ぼす悪影響をより深く掘り下げていきます。
最後に、読み終わった瞬間からすぐ実践できる減塩のためのヒントを掲載しています。

※「糖尿病と闘う」とは、食事療法・運動療法・薬物療法を組み合わせて、医師の指導のもとで、糖尿病が悪化しないように真剣に取り組むことを意味します。特定の食品が糖尿病に効くことを示唆するものではありません。※ご紹介する声は、特定の食品が疾病に効くことを示唆するものではありません。あくまでも、読者の皆さまが医師の指導のもとで食事療法・運動療法・薬物療法に取り組まれた結果です。

塩分と糖尿病の人の血管 その2

前回お話したように、塩分過多は血管収縮や血液量増加を招き、高血圧をもたらします。それが糖尿病の3大合併症を引き起こす要因の一つになります。

実は、3大合併症のうちでも高血圧と一番深い関係にあるのは糖尿病性腎症なのです。
糖尿病性腎症は、腎臓の中の細い血管が高血糖により障害されて、腎臓の機能が低下する病気です。

最近では、糖尿病性腎症から慢性腎不全に移行し、透析が必要となる糖尿病の人が増えているそうです。
糖尿病性腎症で透析を新たに開始される患者さんの数はこの10年間でおよそ2.7倍に増加しています。
現在では糖尿病性腎症由来の透析導入をいかに減少させるかが重要な問題となっています。

ここで腎臓について説明しておきましょう。
腎臓は、身体の中でいらなくなった老廃物を含む血液をろ過して、老廃物を尿として体外に排出するとともに、きれいになった血液を体内に戻すという重要な働きをしています。

この血液をろ過する役割をしていのが、腎臓の糸球体と呼ばれる場所ですが、この糸球体は毛細血管の塊でできています。
毛細血管でできた網を想像してもらうとわかりやすいでしょう。高血糖が長期間続くと、これらの網が詰まりやすくなってしまい、もろくなるために、ろ過機構が破綻してしまいます。この状態が糖尿病性腎症といわれる状態です。

怖いことに、糖尿病性腎症が起こると、その進行と歩調をそろえるように血圧が上がってくるのです。
これは、腎臓の血液をろ過する力が低くなると血流量が増えてしまうために、腎臓内の血流を保とうとして血圧をあげるホルモンが分泌されてしまうためです。これを腎性高血圧といいます。

ひとたび腎性高血圧になると、腎臓の中の細い血管が高い血圧により障害されて、腎臓の機能が低下しはじめます。
すると、これを補うようにさらに血圧が上がりはじめます。そこでまた腎臓の機能低下が加速されます。こうなると、まるでチキンレースです。
ニ者で競い合ってどんどん状態を悪くさせていくのです。

このように糖尿病の合併症と高血圧は、相乗的に腎臓の機能を悪化させます。それらを猛スピードで推し進めるガソリンともなるのが「食塩」というわけです。

今日からはじめる 糖尿病の人のための減塩生活

では、減塩のための工夫をご紹介していきましょう。
現在、1日の食塩摂取量目安は、男性9g未満、女性7.5g未満ですが、糖尿病腎症、高血圧の場合は6g未満と定められています。
ちなみに欧米諸国では、一般の人の1日の食塩摂取量として、6グラム未満が推奨されています。それだけ日本は、塩分過多の国ということですね。

・工夫その1市販食品、加工食品の使いすぎは避ける

市販食品や加工食品は塩分が多い傾向にあります。例えば、かまぼこなどの練り製品、ハム・ソーセージなどの製品、佃煮などがそれです。
市販食品の塩分量を確認する習慣や、どんな食品に塩分が多く含まれているか理解することも大切です。

・工夫その2油のコク、香ばしさを利用する

炒め物や揚げ物は油のコクがあり、塩分が少なくても美味しく食べられます。
味付けも、中までしみ込ませる煮込み料理より、表面に味付けする調理法のほうが塩分を減らせます。
また、ソースやしょう油などの調味料は直接料理にかけるのではなく、小皿にとってつけると使用量が少なくてすみます。

・工夫その3野菜や果物で減塩を

新鮮な野菜や果物に含まれるカリウムによって、体内の余分な塩分を尿とともに体外に排出できます。毎食、野菜を食べましょう。
目標は1日に野菜350gです。これはサラダ3~4皿分に相当します。

・工夫その4醤油スプレーの活用を

醤油さしは思った以上に醤油をたくさん使ってしまいます。そこで使いたいのがスプレー。
100円ショップのスプレーボトルに醤油を入れてひとふきすると、出過ぎが防げるだけでなく、香りが立つので嗅覚でも醤油を感じることができ、少ない量で満足することができます。

・工夫その5舌をやさしく磨きましょう

加齢とともに味の感受性が衰えると言われています。そのため年を取ると発揮とした味を好むようになるのです。
加齢は仕方ありませんが、味をよく感じられるように舌をキレイにしておくことは大切です。歯磨きとともに歯ブラシでやさしく舌を磨きましょ
う。

・工夫その6一番好きなものは今までどおりの味付けで

昔から慣れ親しんでいる煮物などの味を薄くするのは、物足りなさを感じ、ついついいつもより多めに食べてしまうものです。
そこで、一番好きなものは今までどおりの味付けにしておくこともストレスをためないコツです。
濃い味のものは量を少なくして、その他のものを調理法や味付けなどを変えてみることもよいでしょう。

・工夫その7ときには冷たい料理も楽しんで

同じ塩分量の「冷めた味噌汁」と「温かい味噌汁」を飲み比べてもらい「どちらがしょっぱいと感じますか?」という質問をすると、きまって「冷たいほうがしょっぱい」と感じる人が多いそうです。
このとおり、塩分は温かい状態だと感じにくいのです。
煮付けや煮しめ料理などはできたてでなく、冷まして味を染み込ませてからいただくのも工夫の一つですね。

今回のまとめ

塩分は敵ではありません。
適切に摂取することで、体の機能が整えられエネルギッシュに過ごせるようになります。
しかしながら過剰摂取は厳禁。自分なりの工夫を取り入れ、減塩だけれど満足できる食事をめざすようにしましょう。

・塩分過多は糖尿病性腎症を引き起こしやすい

・一度腎症になると、高血圧を合併し複合的に悪化しやすい

・糖尿病の人の目標塩分量は1日6g

・料理や食べ方に工夫を凝らし、減塩でも満足できる食事をめざす

→ 関連項目 糖尿病─脳梗塞と心筋梗塞-その1

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