糖尿病の食事を大研究!-その②「お魚と野菜」

糖尿病の食事を大研究!-その②「お魚と野菜」

『糖尿病の食事を大研究!-その①「お魚と野菜」』では、糖尿病患者の1日の推奨摂取カロリーや栄養のバランス、お肉を食べる際の注意点などについてご紹介しました。その続きとなるここでは、糖尿病食におけるお魚や野菜について考えます。
お魚も野菜も糖尿病患者にとってよい食事であるとされていますが、これは最近の研究によって分かったことで、分からないこともまだまだ多くあります。お魚や野菜は、なぜ糖尿病によいとされているのでしょうか。

お魚を食べると糖尿病になりにくい?

国立がん研究センターなどの研究によると、魚をよく食べる男性とあまり食べない男性とでは、糖尿病の発症リスクが大きく変わることが分かりました。この研究では、魚をあまり食べない男性に比べて、魚をよく食べる男性の糖尿病リスクが3割程度減少したのです。糖尿病のリスクが低下したのには、魚に含まれる脂肪酸が関係していると考えられています。
脂肪酸自体は、牛肉や豚肉にも含まれています。その中で魚が注目されているのは、魚に含まれている脂肪酸がn-3系多価不飽和脂肪酸と呼ばれるものだからです。魚に含まれているn-3系多価不飽和脂肪酸としては、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)があげられます。
n-3系多価不飽和脂肪酸は体中の炎症を抑え、インスリンの分泌やインスリン抵抗体を改善する効果があるとされています。その作用が、糖尿病リスクの軽減に効果を示していると考えられているのです。島国であることから漁業が盛んな日本と同じく、ギリシャやスペインといった地中海沿岸地域も漁業が盛んなことから魚をよく食べます。スペインの研究でも魚によって糖尿病リスクが低下したという結果が得られたことから、これらの研究は有力視されています。

一口に魚といっても、その種類はさまざまです。n-3系多価不飽和脂肪酸の含有量からすれば、さんまやさば、あじ、いわしといったいわゆる青魚が優れているとされています。
以下に、青魚の可食部100gあたりのEPA・DHAの含有量をいくつかご紹介します。

・さんま(皮付き、生):EPA……850mg、DHA……1,600mg
・まさば(生):EPA……690mg、DHA……970mg
・まあじ(皮付き、生):EPA……300mg、DHA……570mg
・まいわし(生):EPA……780mg、DHA……870mg
・ぶり(生):EPA……940mg、DHA……1,700mg

このように、それぞれの魚によって含有量は変わるものの、いずれも高い数値となっています。旬が異なるため、季節に合わせて食べる魚を変えることもできます。

糖尿病にならないためには、調理法にも気を配らなければなりません。そこで、青魚を使った体によいレシピをひとつご紹介します。

●しめさばの香味サラダ
上述したように、さばはEPA・DHA共に多く含有している青魚です。そのさばと野菜を同時に摂れるようにしたのが、しめさばの香味サラダです。
必要な材料は、さば、人参、長ネギ、水菜、大葉、生姜、醤油、ごま油、オリーブオイル、塩コショウ、黒酢、すりおろしたごまとなっています。

1.さばに塩をふって1~2時間休ませます。
2.さばを酢で洗い、小骨をとって皮をむいてから酢に20~30分漬けます。
3.人参、長ネギ、水菜、大葉、生姜をそれぞれ細切りにします。
4.醤油、ごま油、オリーブオイル、塩コショウ、黒酢、すりおろしたごまを混ぜ合わせて
ドレッシングを作ります。
5.すべての材料を混ぜ合わせ、ドレッシングで和えれば完成です。

さばに含まれるEPAとDHAは、酢でしめることで増加します。日本食品標準成分表によると、しめさばの可食部100gあたりのEPAは1,600mg、DHAは2,600mgとなっています。生の状態に比べて大きく増加しているため、より糖尿病のリスク軽減効果が見込めます。
また、ドレッシングで使用したオリーブオイルは血糖値の急激な上昇を抑え、黒酢はインスリンの分泌を促進するとされています。黒酢の香りはさばや香味野菜にもぴったり合うため、おいしくいただけます。

糖尿病患者におすすめの野菜

前項では、糖尿病における魚の重要性や食べ方についてご紹介しました。この項ではもうひとつの食材、野菜についてご紹介します。

野菜は糖質が少なく、また食物繊維が多いことから糖尿病患者の食事で重宝されています。食物繊維を多く摂ることで、糖尿病の改善や体重のコントロールを行うことができます。
そんな食物繊維には、水溶性の食物繊維と不溶性の食物繊維の2種類があります。水溶性の食物繊維は、水に溶けやすい食物繊維です。水溶性ペクチンやアルギン酸、グルコマンナンなどがあり、便秘症など便に水分が足りない人におすすめです。不溶性の食物繊維は、水に溶けにくい食物繊維です。ごぼうやオクラ、里芋、こんにゃくなど芋類や根菜類に多く含まれています。どちらか一方だけでなく、両方の食物繊維をバランスよく摂取することで、血糖値の急上昇を防ぐことができます。コレステロールの吸収を抑えたり、血圧の上昇を防いだりといった効果もあるため、糖尿病に効果的であることが分かります。

糖尿病患者におすすめの野菜としては、以下のようなものがあります。

・玉ねぎ
玉ねぎには、血糖値を下げる作用があります。これは、玉ねぎの刺激臭の元であるイソアリインという成分の作用です。インスリンの分泌量を増やすわけではなく血糖値だけを下げるため、インスリンに対する耐性もつきません。
イソアリインは熱によって変化する成分であるため、玉ねぎの血糖低下作用を十分に発揮させるためには生で食べることをおすすめします。このとき、水にさらしすぎると水溶性ビタミンが溶け出すため注意が必要です。

・オクラ
オクラは前述のとおり、不溶性の食物繊維を含んでいます。オクラの特徴であるネバネバ成分が食物繊維で、ペクチン、ガラクタンなどがあります。これらの不溶性食物繊維は血糖値の上昇を抑え、消化不良の防止や整腸作用といった効果もあります。

・赤ピーマン
赤ピーマンには、抗酸化作用のあるβ-カロテンが含まれています。この抗酸化作用によって、インスリンを分泌する膵臓の細胞を保護します。また、高血糖状態が続くと活性酸素が発生し、これによって血管障害や腎障害などが起きます。β-カロテンの抗酸化作用は、活性酵素の働きを抑えて糖尿病の合併症を予防します。

・もやし
もやしは、多くの不溶性食物繊維を含有した野菜です。一般的な大豆もやし100gの中には、同量のレタスの2倍もの食物繊維が含まれています。そして、その90%以上が不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維によって腸内の糖質や脂質が排出されるため、血糖値の上昇を抑える他、便秘解消にも役立ちます。また、もやしは非常に安価であり、1回の食事でたくさん食べることができます。調理法もさまざまであるため、食卓に多く登場させることができます。

魚や野菜もまんべんなく食べることが大事

魚や野菜にはさまざまな成分が含まれていて、それぞれ違った働きをします。これらの働きにより、糖尿病の予防や改善を行うことができます。バランスのよい食事を心掛けながら、糖尿病に効果的な食材を積極的に取り入れていきましょう。その上で、食事を楽しみながら続けていくことが大切です。

・青魚に多く含まれるEPAやDHAによって、インスリンの働きがよくなる。
・野菜に含まれている食物繊維には、血糖値を低下させる作用がある。
・特にたまねぎやオクラ、赤ピーマン、もやしは糖尿病に効果的な野菜だといえる。

→ 関連項目 糖尿病の食事を大研究!-その①「お肉」
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