糖尿病-失明を防ぐために-その1 「網膜症による失明の実態」

糖尿病-失明を防ぐために-その1 「網膜症による失明の実態」

「安禄山(あんろくざん)」という名前をご存じでしょうか。中国史をかじったことのある方や、歴史好きの方であれば、一度は耳にしたことがあるかもしれません。安禄山とは、中国歴代王朝の中で最も華やかだったとされる“唐”の時代に、蛮勇を誇る武将として名を馳せていた人物です。安禄山が起こした戦には、「安史の乱」や「安禄山の乱」があります。そんな武将・安禄山ですが、実は彼は糖尿病を患い、安禄山の乱の最中に片目を失明していたといわれています。
糖尿病といえば、現代人中にも発症する人が多い病気のひとつです。糖尿病により失明する方も決して少なくありませんが、現代の医療技術をもってしても、失明の危険性を完全にゼロにすることは難しいといわれています。
そんな、安禄山をも危険に追い込んだ糖尿病による失明について、今回は統計や実体験の話を交えてご紹介します。

糖尿病になるとなぜ失明の危険性があるのか?

糖尿病とは、体内のインスリンが不足したり正常に作用しなくなったりすることで、血糖値が常に高い状態のままとなってしまう病気のことです。現代人の中には、不規則な生活などにより糖尿病を発症している方は数多くいます。厚生労働省の「平成26年患者調査の概況」によると、継続的な治療を受けていると推測される患者数を含む、糖尿病の総患者数は316万6,000人にも及ぶとされています。厚生労働省は、この調査を3年毎に実施していますが、今回は前回よりも46万人増だといいます。
糖尿病を発症することで、引き起こされる病気のことを合併症といいます。そして、「糖尿病の3大合併症」と呼ばれる病気が、「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」「糖尿病神経障害」の3つです。このうち、失明を引き起こすおそれのある病気が糖尿病網膜症です。糖尿病網膜症による失明の危険性は非常に高く、欧米では30年ほど前に、失明原因の第一位になっています。世界各国が糖尿病網膜症による失明を問題視しており、失明者を保護するための援助や社会保障に割く予算も膨大なものとなっています。
糖尿病を患ったからといって、必ずしも糖尿病網膜症を発症するわけではありません。しかし発症率は非常に高く、糖尿病患者の約3~4割はこの病気に悩まされているといわれています。

まさにサイレントキラー!糖尿病網膜症とは?

糖尿病網膜症とは、目のかすみや視力の低下、そして失明などの危険性がある病気です。人間の眼球の周りには、網膜と呼ばれる薄い膜のようなものがあります。糖尿病網膜症では、この網膜が少しずつダメージを受けていき、やがて「網膜剥離」を起こすことで、さまざまな症状が現れ始めます。
では、なぜ糖尿病になると糖尿病網膜症を発症し、失明の危険が高まってしまうのでしょうか。その原因は、血糖値の上昇にあります。通常、網膜は毛細血管を通して栄養と酸素を吸収しています。しかし、糖尿病などで高血糖の状態が続くと、毛細血管がどんどんダメージを受けていき、やがて破壊され、網膜への栄養・酸素供給がストップしてしまうのです。栄養・酸素の供給が止まってしまった網膜は、酸素を得るために新しく血管を作り出します。そして、新しい血管の周りには、それを支えるための繊維の膜が一緒に作られます。この繊維が網膜を引っ張り、網膜が眼球から離れてしまう状態が網膜剥離です。

網膜剥離になってしまうと、一気に自覚症状が現れ始めます。症状には目のかすみや視力低下などがあり、人によっては、“全く異常のない状態”から“ようやく光を判別できる程度”にまで視力が落ちることもあるのです。糖尿病網膜症を治療するためには、「光凝固法」と呼ばれる手術を受ける必要があります。しかし、発見が遅れるほど手遅れとなる可能性も高くなり、症状が進むことで失明してしまった方も多くいます。
さらに恐ろしいのが、糖尿病網膜症が“サイレントキラー”であることです。最終段階にならないと自覚症状が現れないため、発見が遅れるケースも少なくないのです。

糖尿病網膜症の実体験をご紹介

ここで、糖尿病網膜症の患者であるKさん(51歳男性)の実体験をご紹介します。

Kさんが糖尿病であると診断を受けたのは39歳のときでした。症状の悪化を防ぐため食事制限を強いられることになりますが、甘いものやアルコールが特に好きなわけでもなかったKさんは、特に苦と感じることはなかったそうです。しかし、診断から10年後、目のかすみや“視界に黒点のようなものが見える”などの症状が現れ始めました。異常を感じたKさんが眼科に駆け込んだときには既に遅く、医師から「糖尿病網膜症」と診断されてしまいます。
その後は坂道から転がり落ちるように、視力低下や“目の焦点が合わない”などの症状が次々と現れていき、今ではぼんやりと光が見える程度の視力しか残っていないのだそうです。特に左目の視力が悪く、左側から走ってきた車にひかれそうになるたび、Kさんは強い恐怖を感じています。また、固定してある網膜が眼球から剥がれてしまわないよう、強い衝撃を与えることや急な動作には細心の注意を払うなど、非常に不便な生活を強いられている状態です。糖尿病網膜症と診断された際、医師から「なぜもっと早く来なかったのか」と怒られてしまったそうですが、適切に血糖コントロールを行っていたKさんは、「どうしてもっと早く言ってくれなかったのか」と何ともいえないやるせなさを感じています。

しっかり血糖コントロールを行っていても、糖尿病網膜症を発症する可能性はゼロではありません。失明により光を失わないためにも、早い段階から定期検診を受けるなど、しっかりと対策を行う必要があるのです。

ひとつ以上当てはまると危険!糖尿病網膜症の自己チェック

糖尿病の3大合併症のひとつである糖尿病網膜症ですが、早めに治療を受けたり、原因となる部分を改善したりすることで、失明を防ぐことが可能です。「自分は大丈夫」と思っていても、見えないところで症状が進行している可能性があります。そこで、以下のチェックポイントを参考に、日ごろから自己チェックを行っておくことをおすすめします。

・糖尿病を発症してから10年以上が経過している
・ヘモグロビンA1Cが8%を超えることが多々ある
・40代以下で糖尿病を発症している
・明るい場所でも視界が見えづらい
・以前と比べて視界が狭くなった
・物が見えづらい
・物がだぶって見えることがある
・目のかすみが気になる
・視界で蚊のような点がちらつくようになった

上記のチェックポイントの中で、ひとつ以上心当たりがある方は要注意です。早期発見・早期治療で失明を防ぐためにも、定期的に眼科検診を受けるようにしましょう。

正しい知識を持ち、検診を受けることが大切

多くの糖尿病患者を悩ませている糖尿病網膜症。今は糖尿病を発症していないという方も、不規則な生活などを続けていると血糖値が急上昇し、糖尿病、糖尿病網膜症と立て続けに発症するおそれがあります。前述したとおり、糖尿病網膜症には失明の危険性があり、片目もしくは両目の光が失われてしまうこともあるのです。最終段階になってから後悔しないためにも、定期的に眼科検診を受けるなど、普段から気をつける必要があります。

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