糖尿病と耳の病気-その2

糖尿病と耳の病気-その2

前回は、耳鳴り・難聴といった耳の2大障害と糖尿病との関連についてお話ししました。糖尿病の人は血流障害のために、耳の奥にある蝸牛という部分が働きにくくなり、結果、耳の機能が落ちやすいのでしたね。でも、血流障害以外にも理由があったのです。

※「糖尿病と闘う」とは、食事療法・運動療法・薬物療法を組み合わせて、医師の指導のもとで、糖尿病が悪化しないように真剣に取り組むことを意味します。特定の食品が糖尿病に効くことを示唆するものではありません。※ご紹介する声は、特定の食品が疾病に効くことを示唆するものではありません。あくまでも、読者の皆さまが医師の指導のもとで食事療法・運動療法・薬物療法に取り組まれた結果です。

耳鳴りと糖尿病その2

前回、耳鳴り・難聴についてお話ししましたが、実はこれらの症状は血流障害以外にも引き起こされるのです。その代表的なものが急性中耳炎です。急性中耳炎は比較的ポピュラーな症状です。鼓膜の内側である中耳に炎症が起きた状態で、風邪やインフルエンザ同様、急性感染症の代表的なものです。

といっても大人にはさほど多くなく、子どもに良く起こります。子どもの耳管は大人に比べて太く短いため、容易に感染が奥まで到達してしまうのです。原因は肺炎球菌、インフルエンザ菌など、比較的身近にある菌がほとんどです。症状は、耳痛や耳だれ、発熱、耳閉感(じへいかん)などですが、放置するとそのまま治らずに慢性的に難聴になってしまうことがあります。

この急性中耳炎ですが、大人がかかると慢性中耳炎といって、慢性化しやすいのが特徴です。しかし、本来であれば、耳の機能が出来上がった大人はあまり中耳炎にならないのです。
慢性中耳炎になりやすいのは、エイズやがんといった慢性疾患のある人が多くを占めます。そしてその中に糖尿病が含まれています。
なぜかというと、糖尿病を含む慢性疾患は免疫力が低下しやすいから。そのために中耳炎になりやすく、慢性化しやすいというわけなんです。

糖尿病の人が慢性中耳炎のために難聴・耳鳴りを引き起こしやすい理由はほかにもあります。
ステロイドが関係します。

炎症を抑えたり血流を促進するために、ステロイドやホルモン療法がおこなわれます。しかし、ステロイドには血糖値や血圧をあげる作用があるため、糖尿病の人が中耳炎になると、十分にステロイドが使えないことがあり、慢性化、重症化してしまうリスクがあるというわけです。

また慢性中耳炎だけでなく、ほかの病気を引き起こすこともあります。
悪性外耳道炎と呼ばれるものがそれです。
慢性中耳炎同様に、糖尿病のために細菌感染に対する抵抗力の低下した際に起こる感染症で、緑膿菌(りょくのうきん)という菌の感染による外耳道感染症の一つです。

外耳から発症して周囲の軟部組織に進み、側頭骨、さらには頭がい骨まで進行してしまうことがあります。この炎症は慢性中耳炎と異なり、壊死するほどに強力な炎症です。内耳までにとどまらず脳にまで障害が及ぶことが知られており、最悪の場合、脳神経症状を起こします。難治性で予後は不良です。

悪性外耳道炎は、糖尿病のために感染症にかかりやすくなっていることと、高血糖などによる動脈硬化があると発症率が上がります。
耳だれがあったり、がんこな耳痛を伴えば要注意です。この場合はできるだけ早めに耳鼻咽喉科専門医を受診するようにしてください。

耳鳴りや難聴から耳を守るために

ここまでお話ししてきたように、耳鳴りや難聴といった耳の症状は、糖尿病の人には実は身近な存在なのです。合併症の一つとしてとらえ、早期発見や予防に努めることも必要であると思われます。では実際にはどのようにしたら良いのでしょうか。日ごろから簡単にできる方法をご紹介します。

・まずは、聴力検査を

聴力は視力ほど低下がわかりにくいものです。また軽度の耳鳴りがあっても、以前から存在しているものである場合、気づかないことがほとんどです。そこで専門医が勧めているのが、糖尿病の診断がついた時に聴力のテストも受けること。

特に2型糖尿病の場合は、ゆっくりと経過をたどって、ある日発症するものなので、診断時にすでに耳鳴りや難聴といった症状が見られていることがあります。「今特になんともないから大丈夫」と考えるのは早計というもの。発症後時間がたっている場合でも、何かの折には聴力検査を行い、今の状態を把握しておくことが必要です。

・耳の血流を良くする

お話ししたように、耳の症状は血流障害によっても引き起こされやすくなります。したがって日ごろから、耳の周囲の血流をよくしておくことが大切です。

耳の血流促進は簡単にできます。指の腹、あるいは握りこぶしを作って人差し指あるいは中指の第2関節(指先から2番目の関節)で耳の周囲を刺激しましょう。その際、耳の周囲をまんべんなく刺激しますが、とくに前側を重点的に刺激するようにしてください。また、耳の上の側頭部から、もみあげを通って顎まで刺激するようにしましょう。特に痛い箇所は、血流が悪くなっている可能性が強いので、優しく、しかししっかりと刺激するようにしてください。

・突然耳が聞こえなくなったら、48時間以内に病院へ

難聴の種類の中には、何の前触れもなくある日突然耳が聞こえなくなったり聞こえが悪くなる、突発性難聴があります。突発性難聴の場合、早期治療が肝になります。耳の異常を感じてから48時間以内に適切な治療を受けることで聴力が改善する場合が多いといわれており、それ以上たつと治療が難しくなることがあります。

完治するのは3分の1、耳鳴りや頭痛などの後遺症が残るのが3分の1、あまり改善が見られないのが3分の1程度といわれていますが、48時間以内の治療で回復率が高まります。

・ほかの神経障害が発症していたら、耳にも注意を!

糖尿病の人の場合は高血糖のために耳の働きが悪くなる可能性があります。そしてこれは、神経障害の一つといってもいいのです。したがって、糖尿病の3大合併症の一つである神経障害がすでに発症している場合、耳の症状が起こる可能性も高いのです。その場合は、聴力にも気を付けるようにし、異常があれば早めに受診するようにしましょう。

今回のまとめ

ふだん耳というのは、あまり意識しない器官かもしれません。しかし、これを機会に耳をいたわる習慣を身に着け、何か異常を感じたらすぐに受診をするようにしましょう。

・糖尿病による免疫低下が、慢性中耳炎などの耳の疾患を招きやすい

・悪性外耳道炎の場合は、耳の症状にとどまらず脳に障害を及ぼすことがあるので注意が必要

・耳周囲の血流を促進させることで、リスクを減らすことができる

・突発的な難聴は、48時間以内の受診など早期発見がきわめて大切となる

→ 関連項目 糖尿病の怖い症状-糖尿病性神経障害

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