糖尿病と耳の病気その1

糖尿病と耳の病気その1

現在糖尿病の方で、耳の病気を気にしている方はあまり多くないでしょう。
「耳の病気?それよりも糖尿病なら目の方を心配すべきじゃないの」という声も聞こえてきそうです。3大合併症の一つである糖尿病性網膜症を心配している方は多いですね。けれども近年、糖尿病と耳の病気の間に深い関係があることがわかってきたのです。今日は、糖尿病と耳の障害について、ご説明しますね。

※「糖尿病と闘う」とは、食事療法・運動療法・薬物療法を組み合わせて、医師の指導のもとで、糖尿病が悪化しないように真剣に取り組むことを意味します。特定の食品が糖尿病に効くことを示唆するものではありません。

※ご紹介する声は、特定の食品が疾病に効くことを示唆するものではありません。あくまでも、読者の皆さまが医師の指導のもとで食事療法・運動療法・薬物療法に取り組まれた結果です。

耳の2大障害 ─ 難聴と耳鳴り

目の見え方と違って、耳の聞こえ方というのは変化がはっきりとはわからないものです。ではここで質問です。あなたは最近、下記のような症状を感じたことがありますか。

□人から話しかけられると、聞きかえすことが多くなった

□3人以上で話をしていると会話についていけなくなる

□相手がぼそぼそ、ぶつぶつ言っているような気がする

□さわがしい場所では会話するのが億劫になる

□女性や小さい子どもの声は聞きづらいと感じる

□テレビやラジオのボリュームがうるさいとほかの人に言われる

これらのうち、ひとつでも当てはまるものがある方は要注意です。
耳の聞こえ方に変化が生じている可能性があります。特に糖尿病の方の場合は、耳の聞こえ方に注意をする必要があります。糖尿病と耳の関係についてお話しする前に、まずは基本的な耳の構造についてお話ししていきましょう。

耳は大きく分けて、3つの部分から成り立っています。一つ目が外耳(がいじ)です。
外耳は読んで字のごとく、耳の外側の部分です。耳たぶなど手でつまめるすべての部分を耳介(じかい)といいます。そこから鼓膜までの耳の穴を外耳道といいます。耳介から外耳まで、外から見える部分が外耳となります。

そこから進み、鼓膜からその先にあるアブミ骨という部分までが中耳(中耳)となります。耳の中に骨?と思う方もいるかもしれませんが、これらの骨は耳から音が入ってくるとそれらをキャッチして振動としてとらえるという働きをしています。音の大きさやリズムなどを知覚するのですね。これを骨による伝導ということで骨伝導といいます。

そして一番奥は、内耳という部分です。内耳には、蝸牛(かぎゅう)という組織や、平衡感覚を保つ働きをすることで知られる三半規管(さんはんきかん)などがあります。蝸牛は、中学・高校の生物の授業ではうずまき管と教わるようですので、こちらの名称のほうがしっくりくる人もいるかもしれませんね。

いずれにせよ、その名の通りカタツムリのように渦巻き状になっています。蝸牛は外耳から中耳を通じて入ってきた音を集約して反響させ、そのさらに奥にある聴覚神経に伝える働きがあります。そこからさらに、大脳に伝わって音として知覚・認知されるというわけです。

このことからわかるように、耳というのは入ってきた音をすぐに認識する器官ではなく、外耳から中耳、中耳から内耳、そして聴覚神経から大脳へとリレーのように音を伝えていく器官であるということです。

したがってこれらのリレーのうち、どこかが障害されれば音の聞こえ方にトラブルが生じることになります。また平衡感覚もつかさどっており、耳が障害されると船や車などの乗り物酔いはもちろん、めまいなどが引き起こされることもあります。
耳というのは、実に繊細な器官であることがお分かりいただけたでしょうか。

では耳に障害が起こるとどのような症状が起こるのでしょうか。
ダントツで多い症状は「耳鳴り」と「難聴」です。耳鳴りとはキーンとした音が常に聞こえる状態です。
難聴とはご存知のように、耳の聞こえが悪くなる症状です。耳のトラブルとしてはこれらが多いのです。そして、難聴と耳鳴りとは互いに関連していることが多いのです。難聴・耳鳴りで悩む人の人口は、全国で1500万人程度。10人に1人ということですから、決して少なくはないですね。

難聴・耳鳴りと糖尿病その①

難聴や耳鳴りで悩んでいる人は多いとお話ししましたが、これは糖尿病患者にとっても捨て置けない話題なのです。

2007年、アメリカ糖尿病学会でセンセーショナルな発表がなされました。それは、糖尿病患者は通常の人より2倍も難聴になるリスクが高いというもの。これまで糖尿病の症状というと、異常な口の渇き・頻尿・多尿・目のかすみ・体のだるさ等があげられてきており、耳の症状と関連を指摘する研究者はほとんどいなかったのです。

しかしこの発表以降、難聴と糖尿病の関係の研究は進められ、今日では糖尿病の人はそうでない人に比べて耳鳴り・難聴になりやすい、というのはほぼ定説とされています。

では、なぜ糖尿病患者は耳鳴り・難聴になりやすいのでしょうか。一つの説として血流が影響しているのではないかといわれています。さきほど、耳の構造についてお話ししましたが、耳の器官のうち内耳というのは血流が豊富な部分です。
また微細な血管も多いとされています。

その中でも、音を伝える組織である蝸牛は血管条(けっかんじょう)という組織とくっついています。血管条とはその名の通り、血管と細胞集団からなる組織です。血管条は、蝸牛に対して血液やイオンなどを送る役割を果たしています。いわば血管条とは、蝸牛が正常に働くためのバッテリー装置みたいですね。

当然この血管条が障害されると、血液成分やイオンの輸送が障害されてしまいます。すると、蝸牛は十分に働けなくなってしまうために、音を聴覚神経に届けることができず難聴になってしまうというわけです。

もうおわかりですね?本メルマガでも毎回にわたりお伝えしているように、糖尿病とは高血糖にさらされることにより、血管壁にダメージが加わったり、血液そのものが流れにくくなるような障害が起こる病気です。

これらが、糖尿病性網膜炎・糖尿病性腎症・糖尿病性神経障害といった3大合併症を引き起こすのです。これらの合併症は症状こそ違えど原因は同じです。そしてまた、糖尿病の人が耳鳴り・難聴になりやすい原因も、血流障害、これなのです。
糖尿病の人が耳鳴り・難聴になることを、糖尿病性神経障害の一つの症状であるという人もいるくらいです。

このような理由から、糖尿病があると耳に症状が出やすくなるというわけです。

今回のまとめ

実は意外なほど関連の深い「耳の症状と糖尿病」。原因はやはり、高血糖による血流障害でした。

・耳は外耳・中耳・内耳構造からなり、音を伝えている

・内耳における蝸牛は、血管条という血流豊富な組織に支えられている

・糖尿病の人はそうでない人に比べて2倍、難聴・耳鳴りになりやすい

・高血糖のために血管条にダメージが及ぶと、難聴・耳鳴りを引き起こすことがある

→ 関連項目 糖尿病の怖い症状-糖尿病性神経障害

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