糖尿病とガンの危険な関係 - その②

糖尿病とガンの危険な関係 - その②

前回の「糖尿病とガンの危険な関係-その①」では、糖尿病を発症すると健常者よりもガンに罹患する確率が高くなる原因についてご紹介しました。また、Ⅱ型糖尿病を予防するための、生活習慣改善の重要性についてもご説明しました。
今回は、糖尿病患者だけでなく健常者も覚えておくべき、ガンの発症を予防するためにできる対策についてご紹介します。

IGF-1の含まれた食品を摂取しない

IGF-1(インスリン様成長因子Ⅰ)は、細胞分裂を促進させる成長ホルモンです。子どもたちにとっては背丈を伸長させるために必要不可欠なホルモンであり、成長期に大量に分泌されることで、背丈の伸長に関わる骨端線の細胞の分泌を促進させます。
ただし、このホルモンは人にとって有益な細胞ばかりを成長させるわけではなく、ガン細胞の成長にも関わっているのではないかと懸念されています。

アメリカの畜産業界では、IGF-1の投与が子牛を成長させるための手段として一般化しています。そのため、「IGF-1は発ガン性物質である」という懸念は、IGF-1を投与された牛を摂取することで発ガンリスクが上昇することを恐れた消費者からの反発を引き起こしました。
食品業界はその反発への解決策として、このホルモンを投与されていない牛から取られた牛肉や牛乳に対しては、「成長ホルモンフリー」のシールを貼ることで投与された牛との区別を図りました。なお、この取り組みは現在でも続いています。

このホルモンは高インスリン血症時に活発化するため、糖尿病患者の体内では大量に分泌されています。そのため、糖尿病に罹患するとガンにかかりやすくなる原因のひとつとして考えられています。
糖尿病と診断されたならば、発ガンリスクを下げるためにも、このホルモンが含まれた食品の摂取は控えることが大切です。

赤肉の過剰な摂取を控える

国立ガンセンターの発表によると、過剰な赤肉(牛肉や豚肉)の摂取は大腸ガンの発症リスクを上昇させる可能性が高いといわれています。その理由としては、以下の4点があげられています。

1.二次胆汁酸
ガンの発生を促進させる物質であり、赤肉の動物性脂肪を分解する際に腸内細菌で生成されます。この細菌が大腸の粘膜に付着することで、発ガンリスクを上昇させます。

2.ヘテロサイクリックアミン
ヘテロサイクリックアミンとは、赤肉を調理した際に生じた焦げに含まれる発ガン性物質です。また、発ガンリスクを高めるためでなく、インスリンの働きを抑制することで糖尿病の発症リスクも高めてしまいます。
なお、理由は明らかにされていませんが、女性よりも男性のほうが糖尿病の発症リスクが高まる傾向にあります。

3.硝酸塩
赤肉に含まれる硝酸塩を体内に取り込むと、亜硝酸塩が生成されます。そして、亜硝酸塩は発ガン性物質である内因性ニトロソ化合物の生成を促す働きをします。
内因性ニトロソ化合物が腸内で生成されることで、大腸ガンの発現リスクが上昇します。

4.ヘム鉄による酸化作用
肉の血液に含まれるヘム鉄は酸化作用を促し、発ガン率を上昇させるといわれています。ただし、日本の研究結果では、この因果関係について明らかにされていません。一説では、日本人は魚からヘム鉄を摂取することが多かったため、魚に含まれる他の栄養素によってガンの発症率が抑えられていた可能性があるといわれています。
食生活の変化により、肉からヘム鉄を摂取することも多くなったため、赤肉の過剰摂取は控えることが大切です。

糖質が少ない赤肉は糖尿病患者にとってはうれしい食材ですが、過剰な摂取は健康を害する可能性があるため控えましょう。赤肉の代わりに、鶏肉や魚を積極的に摂取することが大切です。

十分な睡眠を取る

健康的な生活を送るためには、毎日7時間の睡眠が推奨されています。しかし、理想的な睡眠時間の確保を妨げる要因(仕事や勉強など)の多い現代社会においては、現代人の約7割弱は睡眠不足に陥っています。
なお、イギリスの報道機関であるBBCが行った実験結果によると、十分な睡眠をとると血液中に存在する健康を害する遺伝子の働きを抑制させることができますが、睡眠時間が不足するとその遺伝子の働きを活発にさせることが発見されました。
生活習慣病の罹患を防ぐためにも、規則的な睡眠時間の習慣化に努めることが大切です。

定期的な健康診断を受診する

生活習慣病に罹患する可能性は、年齢が増加するごとに高まります。そのため、定期的に健康診断を受けることで、罹患を未然に防ぐ努力をすることが大切です。
とりわけ、ガンは早期発見することができるか否かで、病状が大きく変化する生活習慣病です。そこで、40歳を超えた方は、最低でも1年に1回は健康診断を受診しましょう。また、ガンを誘発しやすい病気である糖尿病や、肝臓ガンを引き起こす肝炎、または胃ガンを引き起こすピロリ菌などを患っている方は、年齢を問わず定期的に健康診断を受診することが大切です。
女性の死因として年々高まっている大腸ガンも、早期発見することができるガンのひとつです。そんな大腸ガンの早期発見のために行われる検査は、「大腸内視鏡検査」と「便槽血検査」の2種類があります。
この2つの検査のうち、「便槽血検査」とは検便のことであり、特に体に負担がかかることはありません。反対に、「大腸内視鏡検査」とは、肛門に内視鏡を挿入して行う検査であるため、少なからず体に負担はかかってしまいます。ただし、まだ小さい腫瘍なども発見することができるため、腸内部の異常を正確に把握するためには受診しておくべき検査です。
最近では、大腸内視鏡検査時、もしくは検査後において、患者の体の負担を軽減させるためにさまざまな取り組みが行われています。例えば、挿入する内視鏡ファイバーの太さをこれまで使われていたものよりも細く柔軟にしたことで、検査時の患者の苦痛はこれまでよりも大分和らいでいます。また、これまでは空気を内視鏡と一緒に挿入していたため、検査後しばらくの間、患者はお腹の張りを感じることがありました。しかし、現在では空気の代わりに、空気よりも素早く腸管から吸収される炭酸ガスを内視鏡と一緒に挿入しているため、検査後短時間で患者のお腹の張りを消失させています。
検査技術も大きく進歩しています。もしもこのような取り組みが行われる前に、大腸内視鏡検査の評判を聞いて受診をためらっていたのであれば、ガンを未然に防ぐためにもこの機会に受診をしてみましょう。

全2回に渡って、「糖尿病とガンの危険な関係」についてご紹介しました。
Ⅱ型糖尿病もガンも、生活習慣病であることは共通しています。そのため、どちらの病気も規則正しい生活を送ることで、発症を未然に防ぐことが可能です。
今一度自身の生活習慣を振り返り、健康増進に努めていきましょう。

 

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