糖尿病と血管のふか~い関係その1

糖尿病と血管のふか~い関係その1

糖尿病とは糖尿と高血糖が持続的に発生している状態のことですが、「糖尿病」という名前から糖尿のほうに意識が向きがちかもしれません。しかし、糖尿病は多くの血管病を誘発する病気として知られており、高血糖のほうにも意識を向ける必要があります。ここでは、糖尿病と血管の関連性についてご紹介します。

血管の構造について

糖尿病の症状のひとつが継続的な高血糖であることから、血管との関連性が深いことが分かります。まずは、血管がどのような構造を持っているかについてご紹介します。

血管は、「人は血管とともに老いる」といわれるように、人間にとって非常に重要な器官です。栄養素やホルモンを体中に届けたり、体温を調整したり、細菌を撃退したりと、さまざまな役割を持っています。そんな血管は全身のいたるところに張り巡らされており、すべての血管をつなぎ合わせたとしたら約9万kmにもおよぶといわれています。これは、地球2周余りにも匹敵する長さです。

血管は大きく分けて4つの種類に分かれます。心臓から血液を全身へ送り出す動脈、動脈から流れてきた酸素や栄養素などを各組織へ運ぶ役割を持つ毛細血管、毛細血管から心臓へ血液を戻す静脈、そして心臓自身へ血液を共有するための冠状血管です。
動脈は内膜、中膜、外膜の3層からなり、厚くて伸縮性に優れた丈夫な構造をしています。動脈に存在する弾性繊維は非常によく発達しており、これが心臓からの血圧に耐えうる弾力性を実現しています。
静脈も動脈と同様に3層からなりますが、中膜が薄く、動脈ほどの伸縮性や弾力性はありません。これは、動脈ほど強い血圧を受けることがないためです。反対に、血圧が弱いことで逆流が起こる可能性があるため、逆流を防ぐための弁が存在しています。
毛細血管は1層からなり、体の隅々にまで栄養素などを届けたり老廃物を回収したりするために非常に細かく網目状になっています。膜が1層のみと薄いのは、透過性を高くし、栄養素や老廃物を周辺組織と効率よく交換するためです。
冠状血管は、大動脈弁からすぐに枝分かれし、体中の血管と同じような構造で心筋細胞と結びついています。

糖尿病になって高血糖の症状が続くと、これら血管に悪影響をもたらし、数々の血管障害を引き起こす可能性があります。まず影響を受けるのは毛細血管など細い血管で、これらの血管から発症する合併症として網膜症、腎症、神経障害などが知られています。そして次に、動脈などの大きな血管が影響を受け、動脈硬化を引き起こし心筋細胞や脳梗塞などの心血管病につながるとされています。ただ、毛細血管への影響については明らかですが、動脈硬化への影響については糖尿病との正確な関連性は分かっていません。関連していることは間違いないとしても、高血糖や高血圧、メタボリックシンドロームなど、どの要素が直接関わっているかが判明していない状態です。

動脈硬化は進行するのみ

人間の体は傷ついても治ることができるため、筋繊維の損傷による筋肉痛や血管が傷つくことによる出血は自然治癒します。多くの病気についても、適切な治療を行えば治すことができますが、動脈硬化に関しては進行するのみです。これは、動脈硬化が基本的には加齢とともに進行するものであるためです。
もちろん、糖尿病などの原因により動脈硬化は加速するので、加速させないための対策は必要といえます。以下にて、具体的な原因についてご紹介します。

・加齢
筋力が衰え、肌のハリがなくなっていくように、加齢によって動脈硬化も進行していきます。動脈硬化がスタートするのは0歳からですが、若いうちは症状が出ることはほとんどないといえます。病気としての姿が強くなっていくのは30代、あるいは40代あたりです。症状が出ない段階でも動脈硬化を発見することはできるので、健康診断などは積極的に受け、実年齢以上に動脈硬化を進めないようにすることが大切だといえます。
なお、糖尿病患者の血管年齢を測ってみると、そうでない場合と比べて10歳~20歳ほど高いといわれています。糖尿病は動脈硬化を進行させる病気なのです。

・高血圧
動脈硬化は、高血圧によっても引き起こされるとされています。血圧とはつまり血液が流れる際の圧力のことで、これが高い状態にある高血圧は血管への負荷を大きくします。高血圧により引き起こされることが多いのは「細動脈硬化」と呼ばれるもので、比較的細い血管で起きやすいものです。細動脈硬化が起こると、血管の膜が全体的にもろくなり、破れやすい状態になります。
なお、糖尿病に罹患していると高血圧にもなりやすいといわれています。これは、血液が高血糖の状態になると周りの細胞よりも浸透圧が高くなり、水分が血管に流れ込んでくるためです。これにより、糖尿病患者の約4割~6割が高血圧だといわれており、糖尿病でない場合に比べて約2倍の差があります。

・高脂血症
高脂血症とは、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)値や中性脂肪値が高い状態、あるいはHDLコレステロール(善玉コレステロール)値が低い状態を指します。高脂血症の状態にあると、血管の内膜になんらかの障害があった際にLDLコレステロールが内膜に入り込み、さまざまな過程を経て血管内に慢性炎症を作り出してしまいます。この動脈硬化は加齢により少しずつ進行していくものですが、LDLコレステロールが多いと、進行のスピードは速くなっていきます。
糖尿病は、高脂血症の原因のひとつです。糖尿病になってインスリンの分泌量が減ると、血糖値が上がります。ここで増えた糖分は中性脂肪の材料となり、結果的に中性脂肪も増加することになります。また、中性脂肪が増加することはLDLコレステロールの増加にもつながりやすいとされています。

・内臓脂肪
肥満の状態が健康に悪いことはよく知られている通りですが、動脈硬化へのリスクという観点においては皮下脂肪よりも内臓脂肪に注意すべきだと考えられています。皮下脂肪とは皮膚の内側に蓄積されていく脂肪のことで、内臓脂肪とは内臓の周りに蓄積されている脂肪のことです。内臓脂肪が過剰に蓄積された状態は外見からは分かりづらく、お腹周りがぽっこりと膨らんでいるのが見分けるポイントといえます。
内臓脂肪が多く蓄積された状態だと、遊離脂肪酸と呼ばれる脂肪が放出されます。これが、高脂血症やインスリン抵抗性を引き起こすのです。高脂血症が動脈硬化につながりやすいことは、上述の通りです。インスリン抵抗性とは、インスリンの持つ血糖値を下げる働きを体が受けつけにくくなる症状のことで、血糖値の上昇を招いて糖尿病の原因となります。また、内臓脂肪が過剰に蓄積されていると、脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインと呼ばれる物質の分泌量が減少します。アディポサイトカインは動脈硬化を防ぐ働きがあるため、分泌量が減ることで、動脈硬化のリスクを高めてしまうのです。

今回のまとめ

継続的に高血糖の状態になる糖尿病は、動脈硬化や心血管病などのリスクを大きく高めてしまいます。糖尿病は高血圧や高脂血症とも関連があり、ともに動脈硬化のリスクを高めるばかりか、加齢や内臓脂肪の蓄積による動脈硬化リスクも高めてしまいます。これらの負の連鎖を断ち切るためにも、適切な治療を受けることが必要です。

→ 関連項目 糖尿と血液の深い関係

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