血栓を溶かす治療法

脳梗塞や心筋梗塞などの原因となっている血栓。どうやってこの血栓に対処したら良いのでしょうか？ここでは、血栓を溶かす治療法の幾つかをご紹介いたします。

これまで見ていただいたように、血栓は血管の破れを修復する上で必要なものですが、それが役割が終わった後も溶けずにそこに残ってしまい、血液の流れを止めてしまうことで、様々な病気が引き起こされるということでした。では、この血栓をどかせばまた血液が流れ出すということですね。この血栓を溶かす薬として、一般に治療で用いられているものは下記のものがあります。

ワーファリン

ワーファリン（Warfarin）は抗凝固薬と呼ばれていて、血液のかたまり（血栓）ができるのを予防したり、治療する薬です。しかし、ワーファリンの効果は個人差が大きく、血液検査によって一人一人に最も適した投与量を決める必要があり、大変面倒です。さらに投与量が多すぎると出血（鼻・皮下・歯肉出血、血尿など）の危険が高くなり、少ないと十分な治療効果が得られないことになります。この薬は、凝固系の働きを抑えるものですから、ちょっとでも量が多すぎると出血傾向になってしまう訳です。
また、日常の食生活にも気を付けないといけません。ワーファリン服用時にはビタミンKを多く含む食物の摂取は注意が必要です。例えば、納豆やクロレラといったビタミンＫを多く含むもの控える必要があります。摂取してしまうと、ワーファリンが効かなくなるのです。また緑色野菜なども多く摂り過ぎると、同じく薬の効果はなくなります。

パナルジン　（塩酸チクロピジン）

血小板のはたらきを抑える抗血小板薬で、現時点ではほとんどの場合まずこの薬が用いられています。血管手術および血液体外循環に伴う血栓・塞栓の治療、ならびに血流障害の改善の目的で使用されています。
しかし、副作用の報告が頻繁に寄せられてもいます。1999年～2001年の2年間に34人の死亡例が報告されています。また、血栓性血小板減少性紫斑病（ＴＴＰ） や、肝障害、倦怠感、紫斑等の出血症状、食欲不振や意識障害といった副作用も報告されています。

ウロキナーゼ

ウロキナーゼは血栓を溶かす薬として使用されていますが、飲み薬ではなく、血管内に注入するという方法をとります。発症より早期（3～6時間以内）の脳梗塞を対象とした最新治療で、治療開始が早ければ早いほど、よい結果が期待できます。
しかし、この治療方法は、この薬本来の作用である血栓を溶かすことによって詰まった血管を再開通するのが目的でなく、梗塞に陥った脳の周囲の血液循環が少しでもよくなることを期待しているだけなのです。こんな方法が認められているのは日本だけで、治療効果も満足できるものではありません。また、血栓だけでなく、血管をも溶かしてしまう場合もあり、内出血による弊害が心配されています。さらに治療費も一回30万円ほどと、大変高額になります。

このように、一般の治療法として、安全で安価で効果的なものはほとんどない、と言わざるを得ません。注射などの方法ではなく、病院に行かなくてもよく、飲むだけでよくて、手軽に血栓を溶かして、さらに血栓ができにくく予防し、血液が流れやすいようにしてくれる物はないのでしょうか？
はい。ございます。

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