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糖尿病での妊娠・出産 −その

糖尿病がある方の妊娠・出産には、さまざまなリスクが伴います。例えば、母体のリスクとしては、腎症、網膜症、神経障害、低血糖などの合併症の発症率が妊娠前よりも高くなります。胎児のリスクとしては、胎児の異常である先天性奇形があります。奇形率は、母体の血糖コントロールが悪いほど高くなります。また、胎児の血糖が高くなることでインスリンが過剰分泌されるため、巨大児になる可能性も高まります。巨大児になると難産になるだけでなく、出生後の乳児に異常がみられることもあります。その他にも、糖尿病がある方の妊娠中トラブルはさまざまです。以下では、トラブルについていくつかご紹介します。

妊娠中のトラブル−その

・合併症の悪化
母体のトラブルでは、合併症の悪化に注意しなければなりません。中でも、腎症と網膜症は、妊娠したことによって悪化しやすい合併症です。腎症が悪化すれば透析療法が必要になったり、網膜症が悪化すれば失明する恐れがあります。どちらも、かなり深刻化するまで自覚症状がほとんどないままに進行していくので、定期的な健診が大切です。妊娠前から糖尿病がある場合は、合併症の疑いがあるか、ある場合は、妊娠しても問題がないかどうかチェックする必要があります。網膜症があるまま妊娠した場合は、1カ月に一回以上の眼底検査を行います。近年では、網膜症があっても早期に治療を受ければ、「レーザー光凝固術」という出血を防止する治療で、進行を防止することが可能です。
また、合併症の中には妊娠特有の「妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)」があります。妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降、分娩後12週までに高血圧がみられる場合や、高血圧に蛋白(たんぱく)尿が伴う場合に診断します。治療法は、妊娠週数や、重症度、胎児の発育不全の有無によって異なります。軽症の場合では可能な限り薬物療法を控え、外来通院での食事療法(カロリー制限・塩分制限など)での治療が中心になります。重症の場合は、薬物療法や点滴治療を行ったり、入院する場合もあります。母子の状態によっては帝王切開によって赤ちゃんを出して、母子それぞれの治療を行うこともあります。ただし、妊娠周数が早い場合は胎児の成長を待ちます。
妊娠高血圧症候群を予防するには、低カロリー、低塩分、高蛋白な食事を心掛けることが大切です。塩分制限は、1日10g以下が勧められています。極端な制限はかえって危険になるため注意しましょう。医師の指示に従うことが大切です。

・羊水過多症
通常、羊水は胎児の成長に伴って少しずつ増えていきます。妊娠30週前後になると羊水量が約800mlを迎え、その後は少しずつ量が減っていきます。分娩前には約500mlになるのが正常です。そのため、羊水が800mlを超えると何らかの異常があると考えられ、羊水過多症と診断されます。羊水過多症になると、子宮が急激に大きくなったり体重が急増するなどの自覚症状があります。羊水過多症が起こる原因のひとつに、母体の血糖値が高いことがあります。妊娠の中期を過ぎると、羊水の成分のほとんどは胎児の尿です。母体の血糖が高いと胎児の血糖も高くなるので、尿量が増えてしまうことが原因です。羊水過多症と診断されると、安静入院を指示され、減塩食や利尿剤での治療が行われます。必要に応じて子宮収縮抑制薬を投与したり、羊水を吸引したりすることもあります。

・感染症
膀胱炎、膣炎、カンジダ膣炎、トリコモナス膣炎、腎盂(じんう)炎などの感染症を発症しやすくなります。これらの感染症は一般的な妊婦でも発症しやすいものですが、糖尿病があると発症率がぐんとあがります。特に、膀胱炎では約6倍、腎盂炎では約4倍も発症率があがります。膀胱炎では、排尿後の残尿感や痛みなどの自覚症状があるので、違和感があれば早めに受診することが大切です。腎盂炎では、寒気や高熱、震え、腰や背中の痛みがあります。悪化すると卵膜までの感染が及んで破水し、早産する危険性もあるため早めの受診が大切です。膀胱炎と腎盂炎、どちらも予防するには十分な水分補給、トイレを我慢しないことが大切です。

糖尿病がある人の出産とその後は?

一昔前までは、糖尿病がある方の出産は帝王切開でした。今は、糖尿病でも合併症がなく血糖コントロールが良好なら、自然分娩も可能です。進行した合併症がある場合や、母子どちらかに何らかの危険がある場合は、出産前から帝王切開を予定する、予定帝王切開になります。
産後は、基本的に母乳で赤ちゃんを育てることができます。ただし、妊娠中と同様に飲み薬ではなくインスリン療法で血糖コントロールを行います。飲み薬だと、薬の成分の一部が母乳をつたって赤ちゃんの体内に入ってしまい、低血糖を起こす可能性があるため注意が必要です。

今は糖尿病があっても、妊娠・出産することができます。ただし、母子ともに健康な状態で出産を終えるためには、いくつかのポイントがあります。

・妊娠前に受診して、血糖コントロールをしっかり行うこと
・合併症は、妊娠前に治療すること
・妊娠後に糖尿病や合併症を診断された場合は、直ちに治療を開始すること
・妊娠中も血糖状態と胎児の状態に細心の注意を払うこと
・出産後も適切な対応をしてもらうために、糖尿病の専門医や、新生児科医などのスタッフが充実している医院にかかること

妊娠糖尿病は、痩せ型の人がなりやすい

糖尿病というと肥満体型の女性を想像してしまいがちですが、若いときに痩せていた人こそ、妊娠糖尿病に注意が必要です。20代のときに痩せ型だった女性は、標準体型だった方に比べて約5倍、妊娠中に糖尿病になりやすいという調査結果があります。痩せ型の女性は栄養不足や筋肉量の低下などが原因で、高血糖になっていることが多いためです。大切なのは、適正体重を維持することで、中高生の頃から正しい食生活を身につけることだといわれています。妊娠糖尿病になると、妊娠高血圧症候群や早産、巨大児になる恐れがあります。無理なダイエットや食事制限は控えましょう。糖尿病は、「私は太っていないから大丈夫」ということではなく、妊娠前・妊娠後も定期的に検査を受け、血糖状態を把握しておくことが大切です。

糖尿病になると、母子ともにさまざまなリスクがあります。ただし、厳格な血糖コントロールができていれば安全に出産することができます。そのためには妊娠前から血糖状態を管理し、治療を行っておきましょう。妊娠の有無に関わらず、妊娠前から糖尿病にならないような食生活を心掛けることも大切です。糖尿病がある方は、医師の許可をもらってから妊娠を考えるとよいでしょう。



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