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糖尿病での妊娠・出産 −その

糖尿病を抱えながらの妊娠や出産には、さまざまな危険が伴います。

そこで、先回は覚えていただきたい事柄として

・危険の第一は胎児の異常。特に先天奇形が心配

・奇形発生頻度は血糖管理が悪いほど高くなる

・母体ではまず、網膜症、腎症、神経障害、低血糖といった合併症のリスクが、妊娠前より高まる

・赤ちゃんは巨大児になる傾向がある

・先天奇形を防ぐには、妊娠前に糖尿病を治療し、血糖を管理し計画妊娠することが大切

こういった点をご紹介しました。

今回は、「糖尿病での妊娠・出産その2」として、妊娠中のトラブルへの対処の続編、出産後の注意点等をご紹介します。

妊娠中のトラブルに対処する - その2

●合併症の悪化

妊娠中のトラブルでまず心配なのは合併症の悪化です。なかでも網膜症と腎症は、妊娠によって悪化しやすい合併症です。

理想は妊娠前に網膜症があるか、ある場合でも妊娠に耐えられるかをチェックすることです。

そうすれば妊娠前から血糖を良好に保つという予防法もとれて、悪化にびくびくしなくてもよい訳です。

しかし、うっかり網膜症のあるまま妊娠した場合には、少なくとも1カ月に1回以上の眼底検査を受ける必要があります。

昨今ではレーザー光凝固術という出血を防止する治療が行われるようになったので、適切な時期に治療を受ければ、網膜症の進行を食い止めることができるようにもなっています。

また腎症の場合も、腎機能がかなり低下するまで自覚症状が出てこないので、定期的に腎機能検査を受けることが大切です。

心配な合併症には、妊娠高血圧症候群(旧:妊娠中毒症)もあります。

妊娠によって高血圧や尿蛋白などが現れた状態です。

子宮内胎児死亡の原因ともなる、胎盤の早期剥離が起きやすくなったりもします。かつては「妊娠中毒症」と呼ばれていましたが、さまざまな症状のおおもとは、妊娠によって引き起こされた高血圧であることが明らかになって以降、「妊娠高血圧症候群」と呼ばれるようになりました。

治療法には「食事療法」「安静」「薬物療法」があります。

「食事療法」は、妊婦のそれぞれの1日のタンパク質や塩分量、水分摂取などを考え、カロリー制限をします。

「安静」は、疲労やストレスをためないために行います。重度の場合は入院します。赤ちゃんの事を無視した生活が引き起こすことがあるので、妊娠高血圧症候群になった場合には、もう1度生活を見直すことが大切です。

「薬物療法」は、高血圧が続く場合に、赤ちゃんに影響がでないように降圧薬を使います。薬を使うことよりも高血圧が続いている状態がよっぽど危険だからです。

予防法は、低塩分、低カロリー、高蛋白な食事を心がけることです。

とくに塩分は1日10g以下(治療の際は7〜8g以下)に抑えます。バランスのよい食事、良質の蛋白質の吸収をよくするミネラル、ビタミンにも気を配ってください。

●羊水過多症

妊娠後半から臨月にかけて羊水は徐々に減っていくのが一般的ですが、羊水の量が異常に多いままの状態を羊水過多症といいます。
母体の血糖が高い場合に起こりやすいので注意が必要です。羊水過多症と診断されたら早産予防のため、安静入院を指導されます。

●膀胱炎・腎盂炎・腟炎などの感染症
膀胱炎、腎盂炎、腟炎、カンジダ腟炎、トリコモナス腟炎などの感染症は、一般に妊婦がかかりやすい病気なのですが、糖尿病の妊婦の場合、発症率がさらに高い傾向がみられます。

特に膀胱炎は、約6倍も発症しやすいというデータもあります。排尿後の痛み、残尿感があるときは、早めに受診しましょう。


出産とその後

●出産

かつては糖尿病を抱えての出産は、帝王切開でしたが、昨今は糖尿病だからといって出産が帝王切開になるとは限りません。

合併症がなく、妊娠中の血糖コントロールが良好なら、自然分娩も可能になっています。

とはいえ、リスクはつきもの。

糖尿病の専門医はもちろん、出産後の対応が適切にできる新生児科医など、スタッフ、設備が充実した病院で出産するのが望ましいでしょう。

また、進行した合併症があったり、母体や胎児に何らかの危険が
ある場合は、出産前からの予定帝王切開となります。

●産後のケア

糖尿病の人も基本的に母乳で赤ちゃんを育てることが可能です。ただし、妊娠前に飲み薬を使っていた人でも、授乳期間は妊娠中と同様、インスリン療法を続けることになります。

飲み薬だと母乳に薬の成分の一部が出て赤ちゃんの体内に入り、赤ちゃんの低血糖を引き起こす危険があるためです。

さらに妊娠によって増えた体重を元に戻し、太りすぎを予防するためにも、授乳中の摂取カロリーに気をつけましょう。


今回のまとめ

昨今は、糖尿病であっても、妊娠・出産が十分にできるようになりました。

そのためのポイントは、

・妊娠前に受診して、血糖管理をしっかり行うこと

・網膜症等の合併症は、妊娠前に治療する

・妊娠後に合併症が分かった場合にはすみやかに治療する

・妊娠中も血糖状態と胎児の様子等に、最新の注意を払う

・糖尿病の専門医はもちろん、出産後の対応が適切にできる新生児科医など、スタッフ、設備が充実した病院にかかる

 

糖尿病を抱えながらの、妊娠・出産について取り上げてみました。

糖尿病での出産と聞くと、いわゆる肥満体型な女性とすぐに連想してしまいがちかもしれませんが、下記のような興味深い報告もあるんですよ。

筑波大水戸地域医療教育センターの谷内洋子博士研究員らの分析で明らかになった点として、20歳のときに痩せている女性が妊娠すると、妊娠糖尿病になる危険性が高まる、ということなんだそうです。

肥満が妊娠糖尿病を起こしやすいことは当然知られていますが、痩せていることとの関連が確認されたのは初めてで、注目されています。

研究チームは08〜10年に、糖尿病になったことがない妊娠初期の女性624人を追跡調査しました。その結果、妊娠中期までに28人が妊娠糖尿病を発症したそうです。

女性たちの20歳時点の体重を聞き、分析した結果、BMI(体格指数)が18未満の「痩せている」に該当する体重だった女性は、BMIが18以上で肥満でもない女性と比べ、妊娠糖尿病を発症する可能性が4.85倍も高かった、という結果が出ました。

痩せている女性は、青年期に必要な栄養の不足や筋肉量が少ないことが血糖値を高めている可能性があるとのことで、「30代ぐらいまで痩せすぎの女性が多いのが日本の特徴。痩せていることが美しいとの風潮や意識を見直す必要がある」と話しているそうです。

自分は太っていないから大丈夫、ということではなく、妊娠前、そして妊娠後も定期的に検査を受けて、自分の血糖状態をしっかり把握しておくことが、健康な赤ちゃんを産むために、必要ということですね。



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