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糖尿病での妊娠・出産 −その

糖尿の場合の妊娠について

糖尿病を抱えながらの妊娠や出産には、さまざまな危険が伴います。

母になる身として、やはりつらいのは胎児の異常。なかでも最も重篤なのが奇形です。

妊娠初期の血糖値が高い場合、胎児に先天奇形を合併しやすくなります。

胎児のいろいろな臓器は、妊娠4〜9週で作られるのですが、お母さん(母体)の血糖値が高いと胎児の血糖値も高くなるため、先天奇形になるリスクが高まるのです。

糖尿病を抱えての妊娠について調べたデータでは、

妊娠前に糖尿病治療を開始したグループでは奇形率は2.1%で、糖尿病のない群の1.7%と大きな差は見られませんが、妊娠後に治療を開始したグループでは9.0%と高頻度で奇形がみられます。

また、奇形発生頻度は妊娠早期の血糖コントロールが悪いほど、高いことが知られています。

このほか胎児に関しては、血糖の異常が高度の場合は、胎児発育遅延、子宮内胎児死亡、軽度の場合には巨大児になりやすいなどの影響があります。

加えて新生児期には低血糖、低カルシウム血症、呼吸窮迫(こきゅうきゅうはく)症候群、高ビリルビン血症になりやすくなります。

そして糖尿病を抱えての妊娠は、もちろん母体にも大きなリスクがあります。

まずは非妊娠時にもある次の合併症の悪化をきたすことが懸念されます。

1)網膜症
2)腎症
3)神経障害
4)低血糖

とくに網膜症がある場合には妊娠により急速に悪化し失明に至ることもあるんです。

そのほかに妊娠特有の合併症として、

5)糖尿病性ケトアシドーシス
6)妊娠高血圧症候群
7)早期産
8)羊水過多症

などの危険があります。

さらに糖尿病のお母さんから生まれる赤ちゃんは、出生体重が4000g以上である巨大児になる傾向があるため、

1)肩甲難産
2)腕神経麻痺(赤ちゃん)
3)骨折(赤ちゃん)
4)産道裂傷
5)帝王切開

などのリスクが高まります。

肩甲難産は児頭が娩出されたあと、赤ちゃんの肩が母体の恥骨結合に引っかかり娩出されにくくなる状態です。

正常妊娠でも0.5%の頻度で起こりますが、糖尿病に伴う妊娠では、胎児の皮下脂肪が多く6.2%に起きるという報告があります。肩甲難産が起きると、赤ちゃんの腕神経麻痺、骨折、あるいはお母さんの産道裂傷などが起こります。


妊娠中のトラブルに対処する その1

では、糖尿病を抱えての妊娠中に起き得るトラブルには、どんな対処法があるでしょう?

まずは胎児の異常について。

●先天奇形

妊娠初期のHbA1c(JDS値)が8%以上になると、胎児が神経管異常、心房・心室中隔欠損、口蓋裂(こうがいれつ)といった奇形になる可能性は20〜30%にもおよびます。

しかも、この時期には妊娠に気づかないこともあるので、高血糖が胎児におよぼす影響を防ぐためには、妊娠前に血糖コントロールをよくすることが重要です。

理想的なHbA1c(JDS値)は4.3〜5.8%ですが、少なくともHbA1c(JDS値)7.0%未満になるまで妊娠しないように避妊することが勧められています。

先天奇形は、妊娠してから糖尿病のスクリーニングをうけて治療を開始したのでは、すでに胎児の器官形成期を過ぎてしまっているため、手遅れになりがちです。

したがって、奇形防止のためには、妊娠前から血糖管理を受けて計画妊娠することが非常に大切です。

●巨大児

糖尿病のお母さんから生まれる赤ちゃんは、巨大児(非対称性巨大児)になる傾向があります。

非対称性巨大児は、臓器が肥大していることが多く、インスリンという血糖をコントロールするホルモンが大量に分泌されてしまい体が巨大化しています。

こうした赤ちゃんは特に低血糖症になりやすいことから、ブドウ糖の輸液が第1に選択され、呼吸困難などを伴う場合には酸素吸入などの措置も行われます。

産婦人科では、糖尿病を抱えた妊婦さんの巨大児対策として、妊娠32週以降は胎児の様子を注意深く管理し、問題がある場合は入院管理を行います。

39週未満の選択的帝王切開例、血糖コントロール不良例、あるいは予定日不詳例の帝王切開時には新生児呼吸窮迫症候群に注意する必要があります。

上記のような対応をするよう診療ガイドラインには書かれていますが、とはいえ大切なのは、巨大児になるのを予防することです。

それには何より母体の「血糖値の変化」をコントロールすること。

適切に血糖がコントロールされていれば、糖尿病の母親から生まれる赤ちゃんが非対称性巨大児となるリスクは大幅に軽減されます。

糖尿病を抱えつつも妊娠・出産を望む場合には、妊娠前から食事や運動、インスリン療法などで、しっかり血糖管理をして準備にあたることが重要と言えます。

今回のまとめ

糖尿病を抱えながらの妊娠や出産には、さまざまな危険が伴います。

覚えていただきたいのは、次の事柄です。

・危険の第一は胎児の異常。特に先天奇形が心配

・奇形発生頻度は血糖管理が悪いほど高くなる

・母体ではまず、網膜症、腎症、神経障害、低血糖といった合併症のリスクが、妊娠前より高まる

・赤ちゃんは巨大児になる傾向がある

・先天奇形を防ぐには、妊娠前に糖尿病を治療し、血糖を管理し計画妊娠することが大切


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